免税店業界と仁川（インチョン）国際空港公社の間で賃貸料をめぐる対立が激化している。裁判所が仁川空港免税店の賃貸料を25％引き下げるよう強制調停に出たが、公社は受け入れられないとの立場を明らかにした。

新羅免税店と新世界免税店は今年初めに赤字が累積しているとして賃貸料の40％引き下げを求め民事調停申し立てを裁判所に出した。公社が参加せず調停は失敗し、これに対し仁川地裁は5日に新羅免税店が出した申し立てに対し、公社の賃貸料を約25％（約583億ウォン）を引き下げるよう強制調停決定を下した。


しかし公社は絶対に受け入れられないという立場だ。公社関係者は9日「他の免税店との公平性問題もあり賃貸料減免は難しい」と話した。


新羅免税店は2023年4月に仁川空港の免税店事業者としての権利を落札し10年間にわたり免税店を運営できるが、撤収する場合には約1900億ウォンの違約金を支払わなくてはならない。業界は裁判所の今回の強制調停が不成立で確定するならば新羅免税店が本案訴訟を起こすとみている。

免税店の不況の谷間が深まり双方の対立は深まっている。韓国免税店協会などによると7月の売上額は9199億ウォンで昨年7月の1兆65億ウォンと比較して8．6％減った。今年7月の1人当たり免税購入額は35万ウォン水準で1年前の42万ウォンより減った。免税店をそのまま行き過ぎたり免税店で商品を購入したりしないという意味だ。免税店業界関係者は「7月に免税店を訪問した顧客は258万人で昨年7月の236万人より増えたが、免税商品を避けているとみられる」と説明した。

市場では新羅と新世界など既存の事業者が撤退し仁川空港の免税事業権再入札が行われる場合、落札価格は現在の賃貸料より40％ほど低くなると予想する。