フィンランドのアンナ・コントゥラ議員。[ユーチューブ キャプチャー]
フィンランド有力紙ヘルシンギン・サノマットは、自叙伝出版を控えた左派同盟所属のアンナ・コントゥラ議員(48)のインタビューを公開した。このインタビューでコントゥラ議員は学生だった16歳で経済的困難と好奇心から売春を始めたと明らかにした。コントゥラ議員は「生活費をまかなう目的で、かなり合理的な選択だった」とし、売春経験は恥ずかしくなく、その後の政治キャリアにも役立ったと話した。
寄宿舎に住んでいたコントゥラ議員は、新聞広告を通じて顧客を募集した。2年ほど売春をしていたコントゥラ議員は夫と出会って売春をやめた。その後離婚して2人の子どもを抱えた状態で再び売春を始めることになった。コントゥラ議員は政界入りするまで売春をしてきたと明らかにした。
フィンランドは売買春が合法だ。現在は18歳未満の青少年売買春は処罰されるが、コントゥラ議員が売春を始めた当時は16歳とも合意の下で売買春が合法的に可能だった。
「フィンランドの性労働産業」をテーマに社会学博士号を取得したコントゥラ議員は、研究者として性労働を犯罪や道徳の問題ではなく社会構造の中で存在する労働形態として見ようという立場を堅持してきた。2002年に性労働者労組を共同設立すると、2006年にはフィンランドの売買春法改正に積極的に参加し、2007年に国会議員に当選した後も性労働者の権益とレッテル緩和政策などを着実に議題化してきた。
インタビュー公開後、フィンランド国内ではさまざまな論争が起きた。フィンランドのある法心理学者は「性労働を単純に『他の職業のひとつ』と考える発言は、その産業を正常化する危険がある。文明社会の任務はだれも私的な部分を売らなくても良い環境を保障するもの」とコントゥラ議員の発言が及ぼす影響力を懸念する。
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