TCLのゲーミングモニターを体験する観覧客。イ・ウリム記者
ドイツのベルリンで開かれた欧州最大の家電見本市「IFA2025」の開幕翌日である6日、3人の子どもとともに展示場を訪れたある観覧客が話した。ドイツで家電販売をしているという彼は「子どもたちに父親の職業を説明し、楽しい見どころを見せてあげたくて連れてきた」と話した。
彼らの足が止まったのは人だかりができている中国家電企業TCLのブースだった。TCLはオリンピックのグローバルパートナーである点を掲げてテレビやバーチャルリアリティ(VR)機器などをスポーツと組み合わせて広報していた。入口に設置された世界最大サイズのQDミニLEDテレビの前を通り過ぎる時には人々の口から「ワオ!」という感歎詞が漏れ出た。ブースを見回した男性は「サムスン、LG、ミーレなど伝統的家電ブランドより魅力的。毎年明確に進化している点がみられるため」と話した。その上で「価格は半分」である点も強調した。
今年IFAで中国のコストパフォーマンス良好な製品が大きな注目を浴びている。TCLをはじめ中国家電企業のブースには家族連れの訪問客が多かった。世界で初めて階段を上り下りするドリーミーのロボット掃除機「サイバーX」、TCLの家庭用人工知能(AI)ロボット「エイミー」、ハイセンスのヒューマノイドロボットなどは子どもたちの視線をつかんだ。
これに対し昨年韓国家電メーカーのブースで大人気を呼んだ「ボーリー」(サムスン)や「Q9」(LG)のようなAIホームロボットは痕跡をなくした。サムスンのヨン・ソグ電子映像ディスプレー(VD)事業部長(社長)は「フィールドテストをしているがさまざまな問題のため遅れている」とし、LGエレクトロニクスのリュ・ジェチョル生活家電(HS)事業本部長(社長)も「まだQ9の新製品発売日程を決められずにいる」と話した。
韓国の家電企業はプレミアム製品とコストパフォーマンス製品のツートラックで欧州の家電市場を攻略する計画だ。LGエレクトロニクスは、設計は自社、製造は中国企業がする合弁開発生産(JDM)方式で低価格型家電ラインナップを積極的に増やす計画だ。
韓国家電企業のもうひとつの武器はAIだ。サムスンとLGは並んで家電機器の連結性を強調したホームAIを今回の展示の主要キーワードにした。こうしたAIを前面に出したプレミアム戦略は北米市場では成果が現れている。市場調査機関トラックラインによると、1-3月期の米国生活家電市場で売り上げ基準のシェアはLGエレクトロニクスが21.2%で1位、サムスン電子が20.8%で2位だ。
ただこの戦略が欧州市場でも通じるかは未知数だ。保守的な欧州の消費者は依然としてミーレやボッシュなどの現地ブランドを好んでいる。韓国企業のブースを訪れたある外国人観覧客は「AIを使えば楽そうだがとても高い。わが家というよりは理想的なモデルハウスのようだ」との反応を見せた。
実際に欧州市場最古参であるドイツのボッシュとミーレなどブランドはプレミアム市場を守り強固な消費者の信頼を維持している。ミーレのアクセル・クニール社長(マーケティング・セールス担当)は中央日報とのインタビューで「ねじ1個にも『ミーレ』と記されているという話がある。核心部品の相当部分を自社で生産するが品質と耐久性のため小さなディテールまで気を遣っている点を見せる」と話した。
もちろん欧州のプレミアムブランドも中国の攻勢と韓国家電のAI戦略を警戒する姿を見せている。ミーレは最近洗濯機など一部生産ラインをポーランドに移転するなどコスト節減に乗り出している。
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