3日、天安門軍事パレードで並んで立つロシアのプーチン大統領(左から)、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩国務委員長 [聯合ニュース]
中央日報の緊急インタビューに応じた専門家らは特に金正恩委員長が少なくとも象徴的な意味で中国とロシアの首脳の支援を同時に受け、「今後、対話が再開されても中国およびロシアの影響力が拡大する可能性が生じた」と指摘した。
◆「対北朝鮮交渉に北京の影響も」
韓半島(朝鮮半島)専門家のダニエル・スナイダー・スタンフォード大教授は「金正恩が訪中で得た最も大きな成果は、ウクライナ戦争の過程で強まったロシアとの密着が中国との長い同盟を毀損してはならないことを中国に確認させる形で強い対中関係を回復した点」と評価した。
スナイダー教授は特に「金正恩との対話再開を期待するトランプ政権は中国との同時または事前協議が避けられなくなるかもしれない」とし「中国とロシアの同時支援を確認した北朝鮮は今後、核保有の認定、国連軍司令部の解体を含む北朝鮮が主張する方式の終戦、在韓米軍の撤収につながる方式でなければ対話に応じない可能性がある」と説明した。
エバンズ・リビア元国務次官補代理は「金正恩の訪中は、米国が中国およびロシアと対立する状況を活用して中ロと同時に関係を改善する場合、米国と国際社会から核保有国の地位が認められる可能性があるという計算が土台になったとみられる」と評価した。
続いて「同時に中国が新しい世界秩序の主導権を握ろうとする野望に賛同する意向を明らかにし、米国主導の秩序を拒否する高位級国際チャンネルを通じて国際社会に復帰するという自信を表明した」とし「このような席に娘キム・ジュエを同行させたのは、キム・ジュエを4代世襲の後継者として前面に出し、自身の権威を継続しようという計算された動きと解釈する必要がある」と強調した。
◆「米国と同盟国に揺さぶり」…結束力は疑問
ブルース・クリンガー・マンスフィールド財団研究員は「朝中ロの協力は国際制裁の効果を弱化させ、米国と同盟国を離間すると同時に、トランプ政権の対外・安保政策実行能力を弱化させるだろう」と懸念した。
クリンガー研究員は「3カ国の同盟が実際の連合体か、それとも取引的な関係の集合体かをめぐる論争は続くはず」とし「重要な点は、これら権威主義国家が米国の国家利益に反する行動をするべきという最小限の共通の利害関係を持つ事実」と指摘した。
そして「トランプ大統領は中国に対する報復措置を持続的に猶予しながらも、同盟国には関税を堂々と課すなど、同盟国を混乱させた」とし「このような態度は同盟国に対して中国よりもむしろ米国が脅威になると認識させ、経済分野を越えて長期的に安保パートナーとしての信頼まで損なう危険性がある」と話した。
ジョン・ハムレ戦略国際問題研究所(CSIS)所長は「上海協力機構(SCO)は今回、トランプ大統領が同盟国に対する攻撃的な接近方式のために反米国連帯の性格で注目された」としながらも「各国が独立的に意見を表明するレベルにとどまり、まだ実質的な運営の深みが足りないという点が同時に確認された」と評価した。
ハムレ所長は「北朝鮮の金正恩がこのような限界を知りながらも北京行きを決めたのは、実質的な成果より、その間ロシアと密着して関係が相対的に疎遠になった中国との関係改善を図るため」とし「金正恩が中国の支持を確保する場合、これはトランプ大統領がむしろ急いでいる対話の再開が至急でないとのメッセージを与える効果につながるかもしれない」と話した。
◆「直接的な打撃はトランプの対中国封鎖政策」
スナイダー教授は朝中ロが強い連帯の可能性を表したこと自体が「中国を孤立させようとするトランプ大統領の試みが明白に失敗しているというシグナル」と批判した。
特に「トランプ政権が世界を引っ張るリーダーシップと古典的価値を放棄しながら中国が自信を表す『ドア』を開く格好になった」とし「問題は中国がまだグローバルリーダーの役割を担う能力がないため、中国を中心にした新しい秩序の確立でなく世界的な混乱と危機、葛藤が続く可能性が高まった」と懸念を表した。
リビア元次官補代理は「中国は第2次世界大戦後に続いた米国主導の国際秩序が終わり、米国が過去のようなリーダーシップを提供する能力がないという点を知らせ、自らが新しい秩序の支配的行為者になるという宣言をした格好」と評価した。続いて「ロシアと北朝鮮だけでなくインド(SCO会議)までが参加したことは、こうした中国のメッセージが国際的に影響力を強めつつあることを見せた結果」とし「中国はこれを通じて米国との競争で自国がより多くの「カード」を持っていると確信する契機になるだろう」と述べた。
特にトランプ大統領が課した相互関税の違憲論争などに言及し「最高裁でも違憲決定が維持される場合、米国の権威を傷つけ、国際的な信頼度と影響力を急速に損なう結果につながるおそれがある」と話した。
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