3日、中国の習近平国家主席が戦勝節行事に出席した各国首脳と天安門の楼上に移動している。 [新華=聯合ニュース]
天安門の楼上で6分間ほど行った約950字の短い演説で、習主席は「人類はまた対話と対決、ウィンウィン協力とゼロサムゲームの一つを選択しなければいけない状況にある」と強調した。そして「中国国民は歴史的に正しい方に、人類文明の進歩の方に平和発展の道を固守した」と主張した。80年前の第2次世界大戦を振り返りながら「正義と悪、光と闇、進歩と反動の生死を分ける決闘に直面した中国は敵に立ち向かって戦った」と述べた。
これをめぐり、米国が主導する西欧社会を戦争主導勢力として、中国が主導権を掌握したグローバルサウス(南半球の新興国と開発途上国)を平和勢力として美化したという分析が出てきた。習主席は5日間、グローバルサウス中心の23カ国の首脳と相次いで会談した。「農村で都市を包囲する(以農村包囲城市)」という毛沢東式戦術を継承したような姿だ。
習主席はこの日、中国の軍事力崛起を強調した。「世界人類軍隊の建設を加速化し、中国の主権・統一・領土完整を守護する」としながらだ。統一を強調したことに対しては、台湾統一に武力使用を排除しないという意志を表したという評価が出てきた。
最後の部分も異なった。2015年の正義・平和・人民必勝を叫んだ70周年の演説とは違い、「人類の平和と発展の崇高な事業は必ず勝利する」と述べた。あたかも天安門の楼上に設置されていた「世界人民大団結万歳」のようなメッセージだ。
習主席は戦勝節の昼食会の演説でも米国に言及した。習主席は「一時的な強弱は力によるが、歴史の勝負は理致にある」とし「正義・光明・進歩は必ず悪と闇、反動を退ける」と主張した。そして「決して弱肉強食の密林の法則に戻ってはいけない」と述べた。トランプ米大統領の一方的な相互関税を「密林の法則」に例えたのだ。
中国社会内部の団結も強調した。習主席はこの日、軍事パレードに出席しなかった江沢民、胡錦濤元国家主席を礼遇しながら「マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、3つの代表的な重要思想、科学的発展観を守るべき」とし、前任指導者の指導理念を再確認した。そして「歴史は過去に耐えて未来を悟る」と強調した。
この日の軍事パレードは1990年代の冷戦終息後初めて朝中ロ最高指導者とイラン大統領までが集まって「反西側」「反米」連帯を演出した。
習主席は天安門儀典で外賓を来賓より礼遇した。習主席の左右の席には北朝鮮の金正恩国務委員長とロシアのプーチン大統領が位置した。その隣には国内のデモにもかかわらずこの日未明に訪中したインドネシアのスビアント大統領、カザフスタンのトカエフ大統領が立った。序列2・3位の李強首相と趙楽際・全国人民代表大会常務委員長はその隣にいた。1959年の中国国慶節(建国記念日)軍事パレードで毛沢東国家主席が北朝鮮・ソ連・ベトナム・東ドイツなど共産圏の指導者を中国指導者を1人ずつ交互に配置したのと比べて外賓に配慮した儀典だった。
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