欧州委員会のフォンデアライエン委員長が1日、ルーマニアの空軍基地で同国のダン大統領と共同記者会見をしている。[写真 AP=聯合ニュース]
フィナンシャル・タイムズによると、フォンデアライエン委員長が乗った飛行機は前日ブルガリア第2の都市であるプロブディフの空港に近付いたいたところ、GPSシステムが使えなくなった。空港上空を1時間にわたり旋回した末に操縦士は紙の地図に依存して手動で着陸しなければならなかった。
同紙は航空便追跡サイトを分析した結果「同じ地域を飛行した他の航空機はGPS信号を問題なく受信し報告していたことがわかった」と話した。今回の事故がフォンデアライエン委員長の飛行機を特定した可能性が高いという話だ。フォンデアライエン委員長は先月30日からロシアと隣接するEUの最前線諸国を歴訪中だ。
欧州委員会は「ブルガリア当局から、この事件がロシアの露骨な干渉により発生した可能性が大きいという知らせを受けた。ロシアとその代理勢力からの日常的な脅威を現場で直接目撃している点を見せるもの」と説明した。これに対してロシア大統領府のペスコフ報道官は同紙に「事実でない」としてロシア当局の介入疑惑を否認した。
同紙によると、バルト海またはロシアと隣接する東欧諸国でGPS妨害が急激に増加していることが明らかになった。今年初めに東欧の加盟国13カ国がEUに関連対策を促す書簡を送ったのが代表的だ。GPS妨害は衛星信号より強い電波を発射して航法装置をまひさせるジャミングと、虚偽の情報を送信して位置情報を操作するスプーフィングで行われる。もともと軍や情報機関が機密地域を保護する目的で導入した。
ポリティコ欧州版は「ジャミングやスプーフィングが民間あるいは軍事作戦を妨害する手段として次第に拡大している」と指摘した。フィナンシャル・タイムズも「商業航空機が飛行中に方向感覚を失い大型事故につながる恐れもある」と警告した。フォンデアライエン委員長は専用機がなく通常は加盟国が提供する航空機や民間機便を利用する。
ドイツ連邦軍のブロイアー総監も昨年2度のGPS妨害を経験したと同紙に明らかにした。一度は軍用機に乗りバルト海上空を飛行中だった。リトアニアで軍事演習を参観している間にGPS妨害を受けた当時、ベラルーシ領空にロシアの偵察機がいたという。ブロイアー総監は「ロシアがこのような戦術を通じて北大西洋条約機構(NATO)加盟国の対応能力を試している」と指摘した。
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