武器と小銃の弾倉にそれぞれ異なるメッセージや名前が書かれた様子。「あなたの神はどこにいるのか」などの文言が英語で書かれている。[写真 ロイター=聯合ニュース]
CNNやニューヨークポストなどによると、この日ミネソタ州ミネアポリスの「受胎告知カトリック学校」で新学期開始を記念する午前のミサ中に、ロビン・ウェストマン容疑者(改名前の名前:ロバート、23)が聖堂ステンドグラスの窓越しに発砲した。銃撃により8歳と10歳の児童2人が現場で死亡し、別の児童14人と80代の成人3人を含め、少なくとも17人が負傷した。銃撃犯は犯行直後、聖堂の裏で自ら命を絶った。
米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省によると、ウェストマン容疑者はトランスジェンダーの女性だと主張していたという。ウェストマン容疑者は17歳の時、自身を「女性だと考え、そのアイデンティティを反映する名前が欲しい」と改名したという。
◇銃の弾倉と宣言文に込められた狂気
ウェストマン容疑者は犯行の数時間前、ユーチューブに手書きの宣言文などを含む20分間の映像を投稿したが、その後削除した。ウェストマン容疑者は宣言文で「力のない子どもたちの上に君臨する恐ろしい恐怖のモンスターになること」について幻想を描写し、2012年のサンディフック小学校銃乱射事件を「学校銃撃事件の中で最も素晴らしい事件」と述べた。当時、コネチカット州のサンディフック小学校で20代の男性が銃を乱射し、児童20人を含む合計27人が死亡した。
ウェストマン容疑者の宣言文には「人種差別の犯罪を犯すとしたら、汚いシオニストのユダヤ人を狙うだろう」、「パレスチナを解放せよ」、「ファシズムは嫌いだが、子どもたちが撃たれるのは良い。子どもたちがずたずたに裂けるのを見るのが好きだ」などの内容もあった。
さらに、イエスを標的に描いた射撃の的も映るなど、キリスト教に対するヘイトクライムの情況も確認された。ウェストマン容疑者は学校の内部をスケッチした絵を刺して「ははは、いいね」と笑った。ウェストマン容疑者はドナルド・トランプ米大統領とテスラのイーロン・マスクCEO(最高経営者)など「政治的または社会的に重要な標的」を殺すとも誓った。また、別の映像にはウェストマン容疑者が半自動小銃、ショットガンなど武器類を広げた様子が映っていた。
FBIの捜査結果、ウェストマン容疑者は銃の弾倉に「ドナルド・トランプを殺せ(kill Donald Trump)」、「あなたの神はどこにいるのか(Where is your God?)」、「子どもたちのために(for the children)」などの短い文言を書いて犯行に及んだことが調査により判明した。ウェストマン容疑者が所持する銃器類はすべて合法的に購入したものだという。
◇ヘイトクライム、また別のヘイトに
カシュ・パテルFBI長官は「今回の事件をカトリック信者に対するテロおよびヘイトクライムと見て調査中」と述べた。極左理念と反宗教、児童嫌悪、トランスジェンダーの性的アイデンティティが入り混じった犯行動機は、米国社会にまた別の波紋を生んでいる。マージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(共和党・ジョージア)は「ジェンダー・ディスフォリア(性別違和)」を「精神疾患」と規定し、議会に「未成年者の性転換手術を重犯罪と規定する法案を通過させなければならない」と主張した。ウェストマン容疑者に標的として名指しされたマスク氏も「これは明白な(トランスジェンダーの行動)パターン」と強調した。
一方、ミネアポリスのジェイコブ・プレイ市長(民主党)は「この事件をトランスジェンダーを攻撃する機会にしようとする者は人間性を失った者」とし、民主党に火の粉が降りかかるのを遮った。
トランプ大統領は事件報告を受け、「恐ろしい状況を継続的に注視する」とし「無分別な暴力行為の犠牲者を追慕する意味で、8月31日日没までにホワイトハウスおよびすべての公共建物と敷地、すべての軍事基地と海軍基地、すべての海軍艦艇で弔旗を掲揚することを命ずる」という内容の布告文を発表した。
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