韓国の姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長が19日、ソウル竜山(ヨンサン)の大統領執務室庁舎で開かれた記者懇談会で発言している。[写真 大統領室写真記者団]
姜室長は記者懇談会で、中国が金委員長を含む戦勝節80周年記念行事の閲兵式(軍事パレード)出席者名簿を同日発表したことについて、「関係機関を通じて(金委員長の訪中計画を)知っていたし、今日発表されるという話も今朝報告を受けた」と説明した。そのうえで「今回の韓米首脳会談もこうした事柄の影響を基本的に受けた」とし「(韓米会談での議論が)うまくいった部分について、この流れの延長線上で解釈してみる余地がある」と付け加えた。
これについて外交筋の与党関係者は「今回の訪中は金委員長が国際舞台に登場する信号弾」とし「韓米首脳会談でトランプ大統領が大きな関心を示した米朝首脳間対話の再開に向けた肯定的序幕でもある」と述べた。また「金委員長の訪中事実は韓米首脳会談でも共有された可能性がある」とも付け加えた。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は25日(現地時間)に生中継された韓米首脳会談で、ドナルド・トランプ大統領に対し、「韓半島(朝鮮半島)にも平和を作ってほしい。金正恩にも会ってほしい」と述べ、10月に韓国慶州(キョンジュ)で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で両者の会談を推進しようと提案した。これに対しトランプ大統領は「推進する。年内に会いたい」と応じた。
韓国政界の視線は、今回の戦勝節に韓国代表として出席する禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が金委員長と接触できるかどうかに注がれている。当初、中国側は李大統領の出席意思を打診したが、韓国は韓米首脳会談への影響などを考慮し、国家儀典序列2位の禹議長の出席で「格」を調整した。中国外交部の洪磊・部長助理は同日、26カ国の首脳級出席者を先に発表した後、議会代表および副首相級が出席する残り6カ国のうち、禹議長の名前を最初に呼び上げた。
両者の会談可能性については与党内でも見方が分かれている。与党高位関係者は「禹議長は以前、金委員長と酒を酌み交わしたことのある仲だ」とし「行事で出会えば当然挨拶を交わすだろう」と話した。禹議長は2018年4月の南北首脳会談の際、与党院内代表の資格で板門店(パンムンジョム)平和の家で開かれた歓迎晩餐に出席し、金委員長と挨拶を交わしたことがある。
一方、国会外交統一委員会所属の与党議員は「北が会談に応じるはずがない」とし「朝中、朝中ロ間の対話が目的だからだ」と語った。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が最近「我が国の外交相手にはなりえない」として、韓国を「最も敵対的な国家」に規定したことも、こうした見方に力を与える背景となっている。梨花(イファ)女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は電話取材に対して「習近平国家主席の両側にプーチン大統領と金委員長が立つ構図が有力だ」とし「その近くに禹議長が入れないようにするだろう」と予想した。2015年戦勝節70周年行事の際も、朴槿恵(パク・クネ)当時韓国大統領と崔竜海(チェ・リョンヘ)北朝鮮労働党書記の動線自体が事前に分離され、両者は顔を合わせることがなかった。禹議長も儀典序列上、最前列で国家首脳たちと並ぶことはできない可能性がある。
国会議長室関係者は「禹議長は今回の戦勝節行事出席に関連し、多角的に備えている」とし「(金正恩との遭遇可能性については)特に言うことはない」と反応した。禹議長に近い与党関係者は「禹議長は戦勝節現場の状況を見ながら対処する考えだ」と伝えた。
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