「北朝鮮労働党総書記、国務委員長の金正恩（キム・ジョンウン）」。

２８日午前、北京のホテルに設置された９・３勝戦８０周年記者会見場。中国の洪磊外務次官補がロシアのプーチン大統領に続いて金委員長の名前に言及すると、現場の記者らは一斉にざわついた。中国の習近平国家主席の招請に応じた２６カ国の首脳のうち予想外の客という反応だった。


禹元植（ウ・ウォンシク）国会議長の名前は、議会代表や副首相を派遣した韓国・東ティモール・ベネズエラ・シンガポール・エジプト・ブルガリアの６カ国のうち最初に呼称された。ただ、２６人の首脳級と区分して別の儀典を提供するという意味と解釈される。


中国は２件の大規模ホームグラウンド外交で米国を牽制する。１５日（現地時間）にアラスカで開催された米ロ首脳会談に眺めていた中国が、過去最多の２２カ国の首脳が出席する天津上海協力機構（ＳＣＯ）首脳会談と、２６カ国の首脳を招待した９・３戦勝節軍事パレードを続けて開催する。

特に中国は金委員長と共にインドのモディド首相を招待するのに注力した。王毅外相が先週インドを訪問し、２０１８年の青島ＳＣＯ首脳会談以来７年ぶりに中国を訪問するインドのモディ首相と会い、天津ＳＣＯ会談の準備状況を説明した。金委員長の今回の中国訪問は２０１９年１月以来６年ぶりとなる。トランプ米大統領がロシアと手を握って中国を牽制しようとする聯俄抗中に対抗して、中国は北朝鮮とインドの２枚のカードを準備したのだ。

洪次官補は２８日、朝中伝統友好関係の新たなチャプターを開くと強調した。記者会見のほかにも中国外務省はこの日午前１０時３０分（現地時間）、金委員長が戦勝節に出席することを他の２５カ国の招待国とは違い、ホームページに別に掲載した。「特殊な朝中両国関係を誇示しながら同時に金委員長の招待に中国が注力したという傍証」と北京の朝中関係専門家は伝えた。

この日、北朝鮮新義州（シンウィジュ）と朝中友情橋でつながる丹東の中聯ホテルは外国人にリバービュー客室の予約を禁止すると公示した。北京の北朝鮮大使館は最近、本館と外部者の宿舎に対する大々的な整備に入った状態だ。このため金委員長と随行員は１号列車を利用して北京を訪問すると観測される。

天津首脳会談と９・３記念式の参加国はほとんどグローバルサウス（主に南半球に位置した新興国と開発途上国）で構成された。９・３天安門軍事パレードに出席する首脳級指導者は２０１５年の２３人から２６人に増えた。韓国・チェコ・アルゼンチン・南アフリカの首脳が抜け、インドネシア・マレーシア・イランなど東南アジアの首脳が新たに天安門の望楼に立つ。

トランプ２期目を迎えて中国は西側外交よりグローバルサウスと周辺国外交に注力している。この日、洪次官補は「グローバルサウスの集団的浮上は世界地図を根本的に変化させている」とし「グローバルサウスはこれ以上沈黙する多数でもなく、落後した広大な地域でもなく、１００年ぶりの大変革で新しい希望を代表する」と強調した。１９５０年代に中国がアジア・アフリカの第３世界国家と手を握って非同盟路線を主導したのと似た様相だ。