SKオンが開発した液浸冷却と次世代無線バッテリー管理システム(BMS)。[写真 SKオン]
韓国消防庁によると、最近のバッテリー火災件数は5月が49件、6月が51件、7月が67件と増加傾向がみられる。主要因は過充電と不良充電器使用、同時充電などだ。
ソウル・麻浦区(マポグ)のマンションで17日に電動スクーターのバッテリー熱暴走と推定される火災が発生して2人が死亡し、19日には京畿道東豆川市(キョンギド・トンドゥチョンシ)のマンションでキャンプ用バッテリー充電中に熱暴走による発火と推定される火災で6人が煙を吸い込む被害があった。リチウムイオンバッテリーは高温や湿気、衝撃に敏感で、管理のミスが大型火災に広がる恐れがある。充電が完了したらすぐに充電器をはずし、就寝時の充電は避け、正規品の充電器だけ使うなど安全ルールを守らなければならない。
リチウムイオンバッテリー火災が注目を集めバッテリー業界は当惑する雰囲気だ。昨年8月に仁川(インチョン)の青羅(チョンラ)国際新都市のマンション地下駐車場で発生した電気自動車火災からしばらく「電気自動車恐怖症」が拡散した経験があるからだ。電動キックボードや電気バイクのような個人用移動装置には価格が高い国産バッテリー使用の割合が低いが、これら製品にはバッテリー管理システム(BMS)などバッテリーの熱を管理できるソフトウエアがほとんど搭載されていない。このため韓国バッテリー業界は頻繁な火災事故が場合によってはバッテリー搭載製品全体に対する消費者の不安を育てないかと懸念する。業界関係者は「BMSを備えた電気自動車も安全技術をアップグレードしてこそ消費者が信じ選択するだろう。この1年間に韓国のバッテリー業界が安全性強化に集中した理由」と話す。
LGエナジーソリューションはBMSを電気自動車市場の必須技術とみて関連技術の高度化に努めている。バッテリーの状態をリアルタイムで診断し、運行と充電の習慣を分析するサービスも運営中だ。SKオンは熱暴走を防止する電気自動車用液浸冷却技術を開発中だ。急速充電など発熱が激しい環境でバッテリーセルの温度を低く維持する技術だ。サムスンSDIは「夢のバッテリー」と呼ばれる全固体電池開発で最も先を行く。液体電解質の代わりに固体を使って安全性を画期的に高める製品だ。
1年前の電気自動車火災以降、韓国バッテリー3社はバッテリー安全強化技術を開発するため非公開の特別作業班を設けて協力してきた。現代自動車・起亜とLGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKオンは22日、1年間の協力結果を発表し、今後も協力を高度化することにした。これら企業は▽安全特許▽デジタルバッテリーパスポート▽設計品質▽製造品質▽消防技術の5大課題をともに継続する予定だ。自動車メーカーとバッテリー製造が一緒に進めて安全技術を確保しようとするのも、激しく受注・技術競争を行うバッテリー3社が手を組んだのも異例だ。この日SKオンのイ・ソクヒ社長は「韓国バッテリー3社が現代自動車・起亜とともに電気自動車バッテリー安全に向け力を集めた点に大きな意味がある。バッテリーの安全品質が1段階跳躍すると期待される」と話した。
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