錦湖(クムホ)石油化学・蔚山(ウルサン)工場の全景。[写真 錦湖石油化学]
20日、韓国政府と「石油化学業界事業再編自律協約」に参加した石油化学企業は、LG化学・ロッテケミカル・SKジオセントリック・ハンファトタル・大韓(テハン)油化・ハンファソリューション・DLケミカル・GSカルテックス・HD現代(ヒョンデ)ケミカル・エスオイルの10社だ。LG・ロッテ・ハンファと共に石油化学「ビッグ4」の一つとされる錦湖石油化学だけが外れた。ナフサ分解施設(NCC)を保有していない分、相対的に事業再編の必要性が低いためだ。
錦湖石油化学は競合他社が次々と赤字を出す中でも、昨年まで3年連続で黒字を記録していた。高付加価値製品のポートフォリオを整えることに集中した結果だ。錦湖石油化学は医療用・産業用手袋の原料として使われるNBラテックス合成ゴム素材分野で世界1位を誇る。
しかしその錦湖石油化学さえ収益が大きく落ち込んだ。今年4-6月期の営業利益は652億ウォン(約69億円)を記録した。前年同期の営業利益(1191億ウォン)の半分にも満たない。2021年7536億ウォン→2022年3539億ウォン→2023年1076億ウォン→2024年1191億ウォン→2025年652億ウォンと、営業利益が急減する傾向にある。
需要不振によりNBラテックスの平均販売単価が2021年に1トンあたり1900ドル台から、今年初めには800ドル台まで下落した影響を受けた。そのうえ今年1-3月期には、米国の中国産手袋50%関税賦課を前に先行注文が殺到し、収益を守ることができた。しかし4-6月期に入ると、中国が米国以外の市場に低価格製品を大量に投じ、黒字幅が縮小した。
西江(ソガン)大学化学科のイ・ドクファン名誉教授は「支配的な位置を持つ高付加価値製品であっても、競争力をさらに高め、販路多角化戦略を用意しなければならない」と語った。
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