中国共産党対外連絡部の孫海燕副部長 [中国共産党対外連絡部ホームページ キャプチャー]
シンガポールの中国語日刊紙・聯合早報は15日、関連写真と共に「孫海燕副部長が北京で開かれたインド独立記念日のレセプションに出席した」と報じた。これは米ロイター通信が孫海燕副部長の拘禁説を報道してから約3時間後のことだ。
ロイターによると、次官級の孫海燕副部長が公式的な席で目撃されたのは今月1日に北京のネパール大使館が主催したレセプションが最後だった。ロイターは複数の情報筋を引用し「孫海燕副部長は今月初め劉建超部長が当局によって調査を受けた時期の前後に拘禁された」とし「劉建超部長に対する調査と関係があるとみられる」と報道した。
これに対し聯合早報は情報筋を引用して孫海燕副部長は現在正常に出勤しているとし、拘禁されたという報道は事実でないと伝えた。ただ、孫海燕副部長がしばらく拘禁されて釈放されたのか、拘禁説自体が事実無根なのかには言及されなかった。対外連絡部の公式ウェブサイトには劉建超部長と孫海燕副部長の写真とプロフィールが残っている。
河北省出身の孫海燕氏は女性で初めて対外連絡部副部長に就任した人物だ。現在、対外連絡部の副部長は孫海燕副部長を含めて計5人いる。孫海燕氏は1997年に中国共産党対外連絡部入りし、東南アジア外交局長、報道官などを経て、2022年5月から翌年7月まで駐シンガポール中国大使として在職した。ロイターは当時任期を終える際、現地の高級ホテルで約500人が出席した送別会が開かれたと、中国メディアを引用して報じた。
これに先立ちウォールストリートジャーナル(WSJ)は9日、劉建超部長が先月末にシンガポール・南アフリカ・アルジェリア出張を終えて北京に帰国した直後、当局に連行されたと報じた。中国外交部史上最年少の37歳で報道官に任命され、最長期間の9年間も報道官を務めた劉建超氏は、部長補佐(次官補級)などの経歴を積みながら次期外相と見なされていた人物だ。WJSは次期外相として自身を前面に出すような劉建超部長の振る舞いが中国共産党に不快感を与えたようだと伝えた。
これは2023年に秦剛前外相が就任7カ月で解任されて以来の中国外交エリート失脚事例と評価される。秦剛外相は駐米大使赴任中に内縁女性との間に婚外子がいたという疑惑を受けた。
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