「ヴァンクリーフのネックレス、シャネルのバック、グラフのネックレス、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計、ディオールのバック…」。

尹錫悦（ユン・ソクヨル）前大統領の妻・金建希（キム・ゴンヒ）氏が関連しているブランド品授受疑惑だ。金建希特検チーム（特別検察官、閔中基）が金氏ブランド品授受疑惑に対する捜査を拡大した中、イ・ボングァン瑞熙建設会長、ソ元ロボット犬会社代表ら供与者の自白も続いている。結局、ブランド品疑惑が金建希氏の足かせになったという指摘が出ている。





金氏のブランド品関連疑惑が最初に提起されたのは、夫の尹錫悦前大統領の最初の海外訪問、２０２２年６月のスペイン・マドリードＮＡＴＯ首脳会議の時だった。金氏は現地同胞夕食会場に６２００万ウォン（約６６０万円）台のヴァンクリーフ＆アーペルのスノーフレイクペンダントネックレスを首にかけて出席した。

金氏はこのほかＮＡＴＯ訪問当時に１５００万ウォン相当のカルティエのブレスレット、２０００万ウォン台のティファニーのブローチを着用した姿も公開された。ブレスレットとブローチは訪問前にも何度か着用した姿が露出していた。これに対し同年８月末、共に民主党側は金氏が着用した３つのブランド品について申告対象（５００万ウォン以上の貴金属など）の大統領候補財産申告から漏れているとして、翌月、尹大統領を公職選挙法上の虚偽事実公表容疑で告発した。

特検チームはその３年後、ヴァンクリーフ＆アーペルのネックレスについてイ・ボングァン瑞熙建設会長が１１日、「同年３月９日の大統領選挙直後に購入して金氏に贈った」と自首したことを受け、カルティエのブレスレット、ティファニーのブローチも他の供与者がいないか賄賂容疑の捜査を拡大する方針だ。

夫の大統領当選以降、金氏のブランド品授受疑惑はヴァンクリーフ＆アーペルのネックレスだけでない。同年４－７月に「乾真法師」チョン・ソンベ氏（６４）を通じて統一教側から６２００万ウォン台のグラフのネックレスと２０００万ウォン相当のシャネルのバック２つを受けた疑いがある。この疑惑は特検チームの金氏拘束令状請求書に含まれた。

◆特検「金建希氏、随行秘書にシャネル交換を直接指示」

金氏はチョン・ソンベ氏と共謀して統一教側から２０２２年４月と７月に２０００万ウォン台のシャネルバック２つと６２００万ウォン台のグラフのネックレスを受けた容疑（特定犯罪加重処罰法上の斡旋収賄）を受けている。ブランド品を伝達したユン・ヨンホ元統一教世界本部長（４８）は「韓鶴子（ハン・ハクジャ）総裁の意に従って請託をした」と述べた。

しかし請託用ブランド品は最後まで見つからずブランド品の最終終着地が金氏かどうかは不明だ。共謀者のチョン・ソンベ氏は「金氏の随行秘書ユ・ギョンオク元大統領室行政官にブランド品を交換するよう話した後になくした」という立場だ。金氏側は「ユ元行政官はチョン氏の私的な件を遂行したのであり、金氏はブランド品を受けたことはない」と述べた。

特検チームは金氏のマンションの出入り記録などに基づいて金氏、チョン氏、ユ元行政官が口合わせをしたと疑っている。「チョン氏が金氏に直接ブランド品を渡し、金氏がユ元行政官にブランド品の交換を直接指示した」ということだ。

◆「随行秘書の保証でＶＩＰ割引」陳述…ブランド時計授受疑惑

特検チームはブランド時計授受疑惑（斡旋収賄容疑）捜査にも着手した。大統領執務室警護用ロボット犬随意契約特恵疑惑を受けるソ氏（６５）は２０２２年９月に金氏に５０００万ウォン台の時計ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン」のアメリカンヒストリー１９２１モデル時計を贈ったという。金氏のコバナコンテンツの事務室で時計を渡したことが調査で分かった

ソ氏は８日、特検で「就任後、金氏が海外訪問当時に着用する目的で時計の購買を要請した。ユ元行政官の保証でＶＩＰ割引」（３５００万ウォン）を受けた」とし「金氏が費用を支払い、賄賂性の贈り物ではない」と話した。

同じコバナコンテンツの事務室でチェ・ジェヨン牧師に会って３００万ウォン相当のディオールのバッグと化粧品の贈り物を受けた時と似た時点の２０２２年９月１３日だった。これに対しソウル中央地検は昨年１０月、職務関連性や対価性がないという理由で「嫌疑なし」で不起訴処分とた。

金氏は２０２３年７月のリトアニア首都ビリニュスで開催されたＮＡＴＯ首脳会議に出席し、現地ブランド品売り場を訪れたことで「ブランド品ショッピング」という声を聞いた。