2022年7月4日(現地時間)、イタリア・ドロミーティ山脈のカナツェイのマルモラーダ山で、当時発生した雪崩の現場上空をヘリコプターが飛行している。[写真 EPA=聯合ニュース]
5日(現地時間)、英紙ガーディアンによると、この男性は7月31日午後3時30分ごろ、イタリア北部・ドロミーティ山脈の標高2500メートル地点の岩場で「落石が続いている」と通報し、救助を要請した。悪天候の中で落石による地滑りの危険が高まったことから、自力での脱出が難しいと判断したようだ。
現場に出動した救助隊は、悪天候にもかかわらずヘリコプター2機を投入して捜索にあたった。救助隊関係者は「助かったのは奇跡に近い」と語った。
調査の結果、この男性は英語とイタリア語で「登山道閉鎖」「引き返せ」などと記された警告標識を無視して危険区域に侵入していたことが判明した。現在、この地域では、地滑りや落石の危険のため、数十か所の登山道が閉鎖されていた。しかし男性は「警告文は一切見ていない」と主張した。
だが、警告を無視した代償は自らが負うこととなった。救助隊はヘリコプターの投入費用などを含め、総額1万4225ユーロの請求を行った。このうち1万1160ユーロは、93分間にわたるヘリコプター救助作戦にかかった費用だという。
ドロミーティ地域の保健当局関係者は、地元メディアを通じて「ヘリコプターは悪条件や緊急時のみに動員されるべきだ」とし、「救助ヘリをタクシーのように考えてはいけない」と強調した。また「山に登るときは、常に山を尊重し、慎重な態度を持つべきだ」とも語った。
ドロミーティ山脈では落石や地滑りが定期的に発生しており、ここ2カ月の間に異常高温現象も重なり、落石のリスクが一層高まっているとガーディアンは伝えている。
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