今年1月13日(現地時間)、人工知能(AI)スタートアップxAIのチャットボット「グロック(Grok)」のロゴとxAIの設立者であるイーロン・マスク氏。[写真 EPA=聯合ニュース]
xAIは4日(現地時間)、AIアプリ「グロック(Grok)」のiOSバージョンに、画像・動画生成ツール「グロック・イマジン(Grok Imagine)」をリリースすると発表した。プロンプトを入力するだけで、数秒で関連画像と15秒分の映像を生成できる。ここまでは、これまで登場した他のAI画像生成ツールと特に変わりはない。問題は「スパイシー・モード(Spicy Mode)」というアダルトコンテンツ生成オプションが同時に導入された点だ。
xAIの説明によれば、スパイシー・モードはヌードなどのアダルト画像も許容している。ただし、露出度が一定基準を超えると、システムが自動的にぼかし(モザイク)処理を施して検閲する仕様になっている。
しかしxAIは、これまでも扇情性を巡って物議を醸してきた。以前、xAIは「AIコンパニオン(同伴者)」機能でキャラクター「アニー(Annie)」を提供したが、金髪に短いワンピース、網タイツあるいは薄手のランジェリーという服装で論争を呼んだ。これに対し米国反ポルノ機関「全米性的搾取告発センター(NCOSE)」は、「未成年者でもアニーと会話できる」とし、アップル(Apple)に対しグロックアプリの利用年齢制限を18歳以上に変更すべきだと要求した。
ディープフェイクに対する懸念の声も出ている。米メディアグループ「Vox Media」傘下のIT専門誌「The Verge」は、「グロックのスパイシーモードを使うと、すぐにテイラー・スウィフトのヌードディープフェイクが作られた」というタイトルの記事で、「記者が『テイラー・スウィフト コーチェラ』と検索したところ、スウィフトが下着姿で踊っている映像が生成された」とし、「グロックは有名人の外見をポルノ的に描写することを禁じていると明示しているが、実際にはそれを防ぐ措置が何も取られていない」と指摘した。
最近のグローバルトレンドは、AI基盤のコンテンツ生成に対して規制を強化する方向に向かっているが、こうしたxAIの動向はこのような流れに逆行している。米国や欧州連合(EU)では、AIが生成する性的コンテンツを法的に規制する方策について活発な議論が行われている。
今回の扇情性論争は、マスク氏がX(旧ツイッター)を買収して以降、「表現の自由」を前面に掲げ、「ヘイトスピーチ」や「ポリティカル・コレクトネス」に対する各種規制に反対してきた姿勢と同じ文脈だという分析もある。
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