ウェールズ大主教に選出されたチェリー・ヴァン氏。[写真 ウェールズ聖公会ホームページ]
3日(現地時間)、英紙ガーディアンによると、7月30日、モンマス教区のチェリー・ヴァン主教(66)が、教区選挙団の全投票数の3分の2以上の賛成を得て、ウェールズ教会の大主教に選出された。
イングランド中部レスターシャー出身のヴァン氏は、1994年にイングランド国教会で初めての女性司祭の一人として叙階された。長年イングランド国教会で司牧活動を行っていたヴァン氏は、2020年にウェールズ聖公会のモンマス主教に任命された直後、長年隠してきた同性のパートナー、ウェンディ・ダイアモンド氏の存在を公にした。
ガーディアンによると、イングランド国教会は同性愛自体は容認しているが、同性愛者の聖職者に対しては独身を守ることを求めている。一方で、ウェールズ聖公会は聖職者の同性愛および同性のパートナー関係のいずれも認めている。
ヴァン氏は、パートナーと約30年間関係を続けてきたという。
この日ガーディアンが公開したインタビューで、ヴァン氏は「長年、私たちは関係を秘密にしていた」とし「朝目覚めたとき、自分の性自認が新聞の1面で暴露されていないか心配だった」と振り返った。
続けて「イングランド時代には、私が集まりに出席する際、ウェンディは2階に隠れていなければならなかった」とし「今ではウェンディはどこにでも一緒にいる。ミサを執り行うときも、ただ普通のことにすぎない」と語った。
ガーディアンは、ヴァン氏が初の女性でオープンリーレズビアンの大主教となったことについて、女性の社会進出の限界を表す「ガラスの天井(glass ceiling)」に宗教的な意味を加え、「ステンドグラスの天井(stained-glass ceiling)を打ち破った」と表現した。
ヴァン氏は「私が先駆者とならざるを得なかった時代に生きたからこそ起きたことだ。しかし私は運動家ではない」とし「神が私を聖職者として召されたという確固たる信仰がなければ、教会内の階級闘争をくぐり抜けて生き残ることはできなかっただろう」と語った。
また「性的指向はある程度までは隠すことができるが、性別までは隠せない」とし「険悪な場面を多く目にしてきた。男性たちは怒りをあらわにし、裏切られたと感じているようだった」と、女性聖職者としての苦悩を打ち明けた。
ヴァン氏は同性婚について「教会における同性婚は避けられない。時間の問題にすぎない」との信念を示した。ただし「強硬に反対する人もいる。私は神学に基づいた彼らの立場も指導者として尊重しなければならない」とし「多くの聖職者を疎外するような決定を強行する立場にはない」と慎重な姿勢を見せた。
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