サムスン電子の李在鎔会長(左)、テスラのイーロン・マスクCEO(右)。
宇宙船〔スペースX(SpaceX)〕や自動車(テスラ)のすべての部品に対する内製化(自社生産)にうるさいことで有名なマスク氏が、7月28日に自身のX(旧ツイッター)アカウントを通して契約の事実を公表し、「サムスンのファブ(fab、半導体チップを製造する工場や施設のこと)効率は私が直接管理する」「サムスン会長と合意した内容だ」と宣言したことで、サムスンファウンドリにとっては効率改善のチャンスであると同時に、契約早期終了や技術流出のリスクもあるという分析が出ている。
①李在鎔とマスク、両トップによる“決断”
3日、半導体業界によると、サムスンファウンドリがテスラから165億4416万ドル規模の自動運転用AIチップの生産を受注したことに対して、「両社のトップにしか下せない決断だった」という評価が出ている。受注する側のサムスンにとっても、発注するテスラにとっても「挑戦だった」ということだ。
ここ2~3年、AI投資の活況により増加した先端ファウンドリの案件はTSMCが独占していた。米国のビッグテックはTSMCへの依存度を下げるためにサムスンにも打診してきたが、実際に契約が成立することはなかった。ファウンドリ業界関係者は、「サムスンファウンドリの先端工程の歩留まり(良品率)に対する信頼が低い中で、最も重要なのは実績(レファレンス)だが、その試験台になろうという顧客は誰もいなかった」と語った。
今回の契約も、交渉終盤まで「TSMCと契約する可能性もある」という駆け引きが続いていたという。最終決定は、マスク氏と李氏によって下された。両者のビデオ通話で、技術や歩留まりに対する確固とした意志が交わされ、「テスラがサムスンのファブ製造効率最大化を支援する」「マスク氏が生産ラインに直接入って進行速度を上げる」という条件にも合意したという。
「サムスンのファブ効率は自分が直接管理する」…マスク氏のこだわり、李在鎔には“諸刃の剣”(2)
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