米国のドナルド・トランプ大統領。[写真 ロイター=聯合ニュース]
30日、ブルームバーグ通信によると、今年4月、トランプ氏はベトナムに対して46%という高率の関税率を通告した。その後7月初め、関税措置の対象だった90カ国余りの中で真っ先にベトナムと関税協定を締結したが、この時にベトナム産製品には20%の関税を、中国産の迂回輸出品には40%の関税を課すことにした。ベトナムには当初通告したよりも低い関税を課しつつも、中国産を迂回して輸出した製品には高率の関税を差別的に課した形だ。
これに関連し、ブルームバーグは「中国および香港資本がベトナムに約束した新規投資は、今年上半期時点で前年同期比23%増加した35億6000万ドル(約5300億円)に達した」とし、こうした傾向に危機感を抱いたトランプ政府がベトナムの脱中国化を図るために関税を差別的に課したと説明した。実際、ホワイトハウスのピーター・ナバロ上級顧問(貿易・製造業担当)は4月、FOXニュースのインタビューで「ベトナムは事実上、中国共産党の植民地だ」と非難したことがある。
しかし、米国の「脱中国化」戦略は効果がなく、むしろ中国資本のさらなる流入を促進するという見方も出ている。リサーチ・分析サービス「ブルームバーグ・インテリジェンス」のアナリスト、スティーブン・チェン氏は、「米国がベトナムに課した関税20%は(世界的に見て)最も低い水準ではないが、費用競争力のほか、中国にも地理的に近いことなどを考慮すれば、依然として競争力がある」とし「中国の製造業者は(米・ベトナム関税協定後も)ベトナムへの(設備)移転を合理的だと考えている」と話した。
ベトナムの工業用不動産リース業者「KCNベトナム」マネージャーのマイ・ツリン氏は「工業団地の分譲が早々と完売している」とし、「中国の企業に躊躇する様子はない」と語った。ブルームバーグによると、KCNベトナムは増加する需要に備えるため、2028年までに工業団地を現在の11か所から2倍以上に増やす計画だという。
ベトナム北部の産業中心地バクニン省の関係者グエン・ドゥック・ロン氏もブルームバーグに対し、「上半期に40億ドルの外資誘致を達成し、さらに10億ドルが追加で入ってくる予定だ」と述べ、「これに対する新規投資許可の発行準備を進めており、そのほとんどが中国系」と明らかにした。
チェン氏は「トランプはベトナムのような国々を中国から分離(デカップリング)させようとしているが、中国が今も各種部品の主要供給元である以上、その努力は効果がないだろう」と語った。ブルームバーグによると、今年上半期におけるベトナムの対中輸入額は約850億ドルで、前年同期比26%増加し、全体輸入に占める割合は40%に達した。ブルームバーグは「電子、繊維、機械など、ベトナムの主力輸出品目に使われる核心部品の多くが中国から輸入されている」と指摘した。
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