3月18日に「労組法2・3条改正運動本部」所属会員らがソウルのハンファグループ本社前で記者会見をしている。キム・ヒョンス金属労組慶尚南道支部巨済統営固城造船下請け支会長は賞与金支給と協力会社常勤職雇用拡大などをハンファオーシャン側に要求し、グループ本社前の鉄塔に上がり座り込みを行った。[写真 聯合ニュース]
「共に民主党」と造船業界によると、ハンファオーシャンと全国金属労働組合巨済(コジェ)・統営(トンヨン)・固城(コソン)造船下請け支会(以下下請け労組)は25日に共生協約に暫定合意した。ハンファオーシャンは損害賠償訴訟取り下げを検討しながら、一方取り下げ時に経営陣に対する背任罪告発を懸念して労組に共生協約を要求してきた。双方は6月中旬から民主党の仲裁の下で共生協約に対する細部協議を進めてきたが、1カ月の交渉の末に暫定合意に達した。29日夕方に下請け労組の最終同意時にハンファオーシャンはただちに訴えを取り下げる予定だ。
暫定合意文には▽ハンファオーシャンは元請け・下請け共生協力と労使和合に向け損害賠償訴訟を無条件で取り下げる▽下請け労組はストで発生した問題に対しハンファオーシャン・元請け労働者に深刻な遺憾を示し繰り返さないよう約束する▽ハンファオーシャンは下請け労組に対する適法な労組活動を十分に保障する▽ハンファオーシャン・下請け労組は健全な労使関係定着に向け努力する――という内容が盛り込まれた。
こうした暫定合意は民主党が7月の臨時国会で労働組合および労働関係調整法改正案の処理を予告した状況と密接にかみ合わさっている。この法案は労組活動にともなう損害賠償を問わないようにした第3条第2項の適用を法施行前に発生した損害に対しても遡及適用するようにした。法案が通過すればハンファオーシャンとしては訴訟を維持する実益がない。
ハンファオーシャンは旧大宇造船海洋時代の2022年6月にドックを占拠するなど51日間にわたりストを行った下請け労働支会所属の労組幹部5人を相手取り同年8月に470億ウォンの損賠訴訟を起こした。2022年12月にハンファグループが大宇造船海洋を買収した後も訴訟は維持された。
損害賠償訴訟取り下げに積極的に乗り出したのは李在明(イ・ジェミョン)大統領だった。李大統領は民主党代表時代の2月に造船業界との非公開懇談会でハンファオーシャンのキム・ヒチョル代表に「損害賠償訴訟を取り下げる方法を模索しよう」と持ちかけた。キム代表が「背任問題があり難しい」と難色を示すと、李代表は「法に抵触しない案があるならば法的・制度的に支援する」と答えた。その後民主党の主導でハンファオーシャンと下請け労組の交渉窓口となる「社会的対話機構」が設けられ対話の糸口を見いだした。
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