韓国の輸出の行方を左右する米国との関税交渉の妥結が間近に迫るなか、「黄色い封筒法」（労働組合および労働関係調整法第２・３条改正案）および「より強化された商法」（第２次商法改正案）の処理が国会で急ピッチで進められていることについて、経済界は改正案の再検討を訴えた。

◇経済８団体「国益の観点で再検討を」


経済８団体は２９日、「内憂外患の韓国経済、国会の賢明な判断を望む」と題する共同声明で、「厳しい経済状況にもかかわらず、商法および労組法改正案が国会で急進展していることに対し、深い憂慮を超えて、惨憺たる思いを禁じ得ない」と発表した。


これは、商法改正案が今月２２日に公布されてから１週間も経たない２８日に集中投票制の義務化などを主軸とした「追加商法改正案」が国会法司委小委で処理され、同日「黄色い封筒法」も環境労働委員会の法案小委と全体会議を立て続けに通過したことを受けたものだ。今回の声明には、韓国経済人協会、大韓商工会議所、韓国経営者総協会（経総）、韓国貿易協会、中小企業中央会、韓国中堅企業連合会、韓国上場会社協議会、コスダック協会が参加した。

これら団体は「商法の追加改正もまた企業再編の反対や主要資産の売却など、海外の投機資本による無理な要求につながりかねず、主力産業の構造調整や新たな成長動力の確保を難しくさせかねない」とした。また、「労組法の改正案も、使用者の範囲が拡大され、企業固有の経営活動までもが争議の対象に含まれることで、ストライキ万能主義を助長し、労使関係の安定性を損なうなど、深刻な副作用が懸念される」と主張した。

団体は「我々企業の平均営業利益率が５％前後という状況で、韓米関税交渉が難航することになれば、米国への輸出の道が事実上閉ざされる」とし「それは我が国最大の輸出市場を失うことを意味し、経済政策および企業経営戦略を新たに立て直さねばならない重大な局面に直面することになる」と懸念した。続けて「関税交渉の結果が不透明なこの状況で、自縄自縛のような行動をとるのではないかと残念に思う」と付け加えた。

最後に「国会は今からでも我々企業が直面する困難と切実な訴えを無視しないでほしい」とし「不要な規制を取り除き、改正案を徹底して国益の観点から慎重に再検討してほしい」と訴えた。

経済界による「より強化された商法」および「黄色い封筒法」への反発は続いている。経済８団体は、２４日にも商法追加改正が「経営活動を萎縮させ、主力産業の構造調整や新たな成長動力の確保を困難にさせかねない」という内容の訴え文を発表していた。在韓欧州商工会議所（ＥＣＣＫ）は２８日、「黄色い封筒法」について「企業人を潜在的な犯罪者（ｐｏｔｅｎｔｉａｌ　ｃｒｉｍｉｎａｌｓ）に仕立てかねない」と警告し、経総も同日「下請け労組のストライキが頻発すれば、雇用の減少など産業競争力全体が深刻に低下するだろう」と懸念を示していた。