昨年4月、江原道鉄原郡文恵里射撃場で「首都軍団合同砲弾射撃訓練」を実施した首都砲兵旅団のK9自走砲 [写真 共同取材団]
#場面1.2014年11月25日、サムスングループの防衛産業企業サムスンテックウィンには青天の霹靂のようだった。グループ首脳部から「ハンファに会社を売却する」という通知を受けたのだ。サムスンテックウィン社外取締役だった高麗大のチョ・ミョンヒョン経営学科教授は「サムスンテックウィンは資金の流れが堅調な会社だった。半導体産業に集中するというのが売却の理由だったが、残念だった」と述懐した。社内では「もはやサムスンの職員ではない」という落胆の声が出てきた。
#場面2.「当時、DSME(大宇造船海洋)を買収していれば、我々は滅びていたはずだ。2022年に買収した直後、巨済(コジェ)造船所に入ってみると…会社の財務状況、ドック状態がひどかった」。匿名を求めたハンファオーシャン(大宇造船海洋の後身)役員はこのように話した。2008年、ハンファは大宇造船海洋の買収戦に飛び込んだ。提示額は6兆3000億ウォン。金融危機のため資金調達が難しくなると、買収をあきらめた。しかし災い転じて福となす。ハンファは14年後、3分の1の価格の2兆ウォンで買収に成功した。
これは英フィナンシャルタイムズの「トランプ大統領の執権後、最も株価が大幅に上昇したグローバル50大企業」に入った2つの企業の話だ。ハンファエアロスペース(旧サムスンテックウィン)は3位(時価総額310億ドル、164%増)、ハンファオーシャン(旧大宇造船海洋)は32位(時価総額170億ドル、57%増)だ。
軍用火薬中心の部品と素材防衛産業ポートフォリオを持っていたハンファは2025年現在、陸・海・空の総合防衛産業グループに生まれ変わった。2014年当時、主力防衛産業企業だった(株)ハンファの営業利益(連結基準)は5158億ウォンだったが、2024年グループの総合防衛産業核心企業ハンファエアロスペースの営業利益は1兆7319億ウォン(約1840億円)で3倍を超える。ハンファエアロスペースは今年の営業利益を3兆ウォンと見込んでいる。ハンファの成長は持続するのだろうか。
◆「グッドペアレンツ」理論
サムスン未来戦略室は2014年当時、サムスンテックウィン株32.4%(8400億ウォン)、サムスン総合化学株57.6%(1兆600億ウォン)をハンファに引き渡した。ハンファには自走砲、航空機・艦艇用エンジン、レーダーなどを製作できるサムスンテックウィン、サムスンタレスの技術力が必要だった。1952年に韓国火薬でスタートし、1974年に政府から防衛産業関連企業の指定を受けたが、依然としてグローバル100位圏の外だった。しかしビッグディール直後の2015年に50位に飛躍したのに続いて2023年には30位に成長した。
2022年にハンファグループは防衛産業事業をハンファエアロスペースに統合した。ハンファエアロスペースは今年7月、有償増資(2兆9188億ウォン)を通じて海外生産能力構築(1兆3000億ウォン)など未来のための投資金も調達した。ハンファオーシャンは昨年、米フィリー造船所を買収し、今年からは米国に造船所2カ所を置く豪オースタル株の確保にも動いた。高麗大のチョ・ミョンヒョン教授は「グッドペアレンツ、すなわち、どの親から生まれるかによって子どもの状況が変わるように、ハンファグループで防衛産業企業が長男扱いを受けたためこれほど成長することができたはず」と評価した。
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