2022年6月、スペイン歴訪中の金建希(キム・ゴンヒ)氏。当時、財産申告漏れだとして論議を呼んだネックレス(円の中)を着用している。[中央フォト]
当時の歴訪で金建希氏は、このヴァンクリーフのネックレスの他に、カルティエのブレスレット、ティファニーのブローチなども着用していたが、それぞれ6200万ウォン(約664万円)、1500万ウォン、2610万ウォン相当の高級品だった。公職者倫理法では、品目ごとに500万ウォンを超える宝飾品については申告を義務付けているが、尹氏は大統領選挙中も就任後も、これらの貴金属について申告したことはない。25日に官報で公開された財産(総額約79億9115万ウォン)にも含まれていなかった。
歴訪直後、国会運営委員会では財産申告漏れの問題が論議を呼んだが、大統領室の最初の説明は「現地で借りたものであり、財産申告から漏れても問題ではない」というものだった。しかし、共に民主党の田溶冀(チョン・ヨンギ)議員の相次ぐ問題提起に対して、当時のユン・ジェスン大統領室総務秘書官は、「装身具3点のうち2点は知人から借りたものであり、1点は小規模事業者から購入したもので、金額が申告対象には当たらない」と別途説明したという。当時も、大統領室は「貸してくれた知人」が誰なのか、購入した1点の契約書が存在するのかなどは明らかにしなかった。
このため、共に民主党は同年9月、財産申告漏れを理由に尹前大統領を公職選挙法上の虚偽事実公表の疑いでソウル中央地検に告発した。金建希氏側は今年5月、ソウル中央地検に提出した書面陳述書で、「(知人から借りたという)大統領室の説明は一部事実と異なり、模造品であるため所在はわからない」と明らかにしたとされる。
その後、事件を引き継いだ特検チームが25日に金建希氏一家を家宅捜索する過程で、問題のヴァンクリーフのネックレスの実物を兄の義母の自宅で発見したところ、金建希氏側はこのネックレスについて「金建希氏が模造品を直接購入したもので、500万ウォン未満のため財産申告には含めなかった」と明らかにした。つまり、当初の「現地で借りた」「知人から借りた」という大統領室の説明は虚偽だったという意味だ。だが仮に「模造品」という説明が事実であったとしても、公式の首脳会議歴訪行事において海外ブランドの偽物ネックレスを着用したこと自体が、国家的・外交的論争を招く余地がある。
押収されたネックレスは、ヴァンクリーフの店舗で購入したかのように包装されていたが、保証書やシリアルナンバー(固有識別番号)はなかったとされる。金建希氏側は模造品を着用した理由について、「他のファーストレディたちの誰もが着けていたので、自分だけ着けないわけにはいかなかった」という立場を示している。
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