24日(現地時間)、北京の欧州連合(EU)代表部で、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長が、中国の習近平国家主席および李強首相との会談結果を説明している。シン・ギョンジン記者
中国の習近平国家主席はこの日午前、北京の人民大会堂で欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長、EU理事会のアントニオ・コスタ議長と会談を行い、「中国と欧州はどちらも国際舞台において『大個子(=背が高い人)』であり『大塊頭(=巨体)』だ」と国際秩序の中で両者が重要なプレイヤーであることを示唆しつつ、「歴史の検証に耐え得る正しい戦略的選択をすべきだ」と強調した。
欧州側首脳は貿易不均衡の解消に向けた中国側の実質的な措置を求めた。フォンデアライエン氏は同日夜、北京のEU代表部で行われた内外信向け記者会見で「EUは中国の全体輸出の14.5%を占めているのに対し、中国はEU輸出の8%にとどまっている」と指摘し、「EUと中国の貿易額は昨年、3058億ユーロ(約53兆円)を記録した」と述べた。さらに「欧州は競争を歓迎し、競争を好むが、競争は公正でなければならない」とし、市場アクセス、過剰生産、輸出統制の3つの懸念を伝えたと明かした。
特に、中国の鉄鋼・太陽光パネル・電気自動車・バッテリーなど主要分野での過剰生産が、他の市場を侵食していると懸念を表明した。フォンデアライエン氏は「中国の指導部がこの問題(過剰生産)を『インボリューション(Involution・内巻き化)』という用語で捉え始めた」とし「消費をさらに支援し、生産の支援は抑えるという意志を表明した」と伝えた。
もう一つの懸案であるレアアースの輸出統制については、「アップグレードされた輸出供給メカニズムに合意した」と明かした。つまり、輸出にボトルネックが生じた場合、強化された供給網支援メカニズムが直ちに問題を把握し、解決できるという仕組みだと説明した。フォンデアライエン氏は「今日の世界的な関税上昇の文脈において、より緊急の課題だ」と付け加えた。
ウクライナ戦争における中国のロシア支援に対する懸念も強く伝えられた。フォンデアライエン氏は「中国がプーチンの戦争とどのように関わり合うかは、今後の中国とEUの関係にとって決定的な要素となるだろう」と警告した。
EUは会談後に発表した声明で、北朝鮮のウクライナ参戦についても懸念を表明した。声明では「EUは、北朝鮮がウクライナにおけるロシアの戦争を支援するために軍隊や武器を供給していることが、欧州および東アジアの安全保障に深刻な脅威となる点を強調した」と明らかにした。さらに「EUは、中国がロシアの軍産複合体の維持に必要なあらゆる物質的支援を提供しないよう、重ねて要請した」と強調した。
米国との関税協議が佳境にある習主席は、EUとの貿易摩擦を避けようとする姿勢を明確にした。中国国営新華社通信は、会談で▷相互尊重の維持とパートナーシップの強化▷開放的な協力の維持と対立の円満な処理▷多国間主義の実践と国際秩序の擁護--など、3つの方向性が示されたと強調した。特に「(中国と欧州の)利害の一致は脅威ではなく、競争力の強化は『壁を築くこと』に依存できず、『デカップリング』は自らを孤立させるだけだ」とし、「依存度を下げると言って協力を弱めてはならない」と指摘した。これは、バイデン米政権当時にフォンデアライエン氏が提起した「デリスキング(De-risking、リスク除去)」戦略を念頭に置いた発言とみられる。
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