李在明(イ・ジェミョン)大統領が15日、ソウル竜山(ヨンサン)大統領室庁舎で開かれた国務会議で発言している。[写真 聯合ニュース]
米国通商代表部(USTR)のアジア担当副代表を務めた経験を持つ、オルブライト・ストーンブリッジ・グループ上級顧問のタミー・オーバービー氏は、この日の電話取材で「個人的な政治的理由でブラジルに50%の関税を課したように、現在の交渉はすでに通常の貿易や安全保障交渉とはかけ離れた“プライベート”交渉」と評価した。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のウィリアム・ラインシュ研究員も「トランプにとって重要なことは、公開されて目に見える勝利だけであり、実際に何を得るかは問題ではない」とし、「最小限の被害で、いかにトランプが勝利したように見せるかがカギだ」と助言した。
トランプ大統領の側近たちが「関税に関する最終判断は大統領だけが下す」と繰り返し表明している中で、トランプを満足させられる提案を示して実利を得る必要があるという指摘がなされている。
◇「黄金の“トランプ砕氷船”でも差し出したい」
これに関連し、在米韓国大使館のアン・セリョン経済公使は、同日ワシントンで韓米経済研究所(KEI)が主催した討論会で、「韓国はトランプ大統領の韓米貿易不均衡解消の意思を十分に理解している」とし「非関税障壁の解消と製造業分野での協力強化が並行されるべきだと信じている」と述べた。
アン氏はただし、「韓国はすでに米国の農産物とエネルギー製品の最大の輸出市場の一つであり、米国産牛肉やLNG(液化天然ガス)の最大輸入国でもある」とし、「(事実上0%の)関税率引き下げや米国製品の追加購入、米国内での追加投資のような譲歩は非常に困難だ」と述べた。
このため、交渉チーム内では「実利を得られるのであれば、カタールから超豪華ジェット機を“ゴルフのコンシード”のように受け取るトランプ大統領の性格を考え、彼が望む造船協力を“トランプ号”と名付けた黄金の砕氷船として差し出しても構わないのでは」といった半ば冗談交じりの本音まで飛び出しているという。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は候補だった先月のラジオインタビューで、トランプ大統領の関税政策について「強大国が行う一種の政治的振る舞いであり、避けられないことだ」と述べ、「どんな屈辱や強圧であっても、それは私個人の問題ではなく国民全体の問題だから、必要であれば“股の下をくぐる”ことだってできる。それが重要なのではない」と語った。その一方で、「私もまた、そう甘い人間ではない」とも述べた。
“トランプ満足”競争? …韓国交渉チーム「黄金の『トランプ号』砕氷船でも差し出すべきでは」(1)
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