人工衛星ネットワークと中国の国旗を合成したイメージ [ロイター=聯合ニュース]
4月25日、中国甘粛省酒泉衛星発射センターの「発射」標識の後方で、有人宇宙船神舟20号を搭載した長征2Fロケットが発射前に最後の整備をしている。 [AP=聯合ニュース]
中国は米国が保有する衛星基盤宇宙技術を事実上ほとんど独自開発している。代表的なのが現在の位置を知らせる衛星航法システム(GNSS)だ。最も代表的なGNSSである米国のGPSに対抗するため中国は北斗体系を開発した。2000年の北斗1発射をはじめ、2012年には静止軌道5基、傾斜軌道5基、中軌道4機の衛星で構成された北斗2、2020年には全地球を担う北斗3を完成して運用している。
米国が誇る低軌道衛星インターネットサービス「スターリンク」の対抗馬も育成中だ。中国は政府が設立した中国衛星ネットワークグループ(CSNG)の主導で2035年までに低軌道に1万3000基規模の衛星を打ち上げることを目標とする「国網プロジェクト」を推進している。昨年12月の最初の衛星打ち上げを始まりに6月までに34基を打ち上げた。上海市が主導する低軌道衛星システム「千帆」は、昨年8月に初めて衛星打ち上げに成功した後、5回にわたり90個の衛星を打ち上げた。2030年までに1万5000基の衛星を打ち上げるのが目標だ。
情報・監視・偵察(ISR)衛星として活用可能な高解像度観測衛星の開発も米国に劣らない。2013年から中国は高分、遥感、TJSなど静止軌道観測衛星を100基運用している。米国が極秘裏に運用中の無人宇宙船X-37Bのように再使用が可能な宇宙船を「神竜」という名で開発している。
◆「北斗、誘導ミサイルの正確度高める」
問題は中国の宇宙技術が軍事目的で使用される確率が高いということだ。SCMPは「アジア太平洋一帯に駐留するすべての中国軍に位置サービスを提供できる北斗の場合、同地域では米軍が使用するGPSよりさらに高い正確度を誇る」とし「中国軍は北斗を通じてミサイルや爆弾などに使用される誘導システムをより精密に運用することができる」と伝えた。
低軌道インターネットの場合、ドローン戦に役立つ。兵力が劣勢なウクライナは過去3年間の戦争中、ドローンを活用してロシア軍を効果的に攻撃したが、スターリンクが提供したネットワーク網があったからこそ可能だった。SCMPは「中国の独自の低軌道インターネット網は中国軍に弾力的な連結性を提供する」とし「ドローン戦だけでなく指揮・統制、戦況把握などを迅速に遂行できる」と評価した。
中国版GPS・スターリンクが米軍を狙う…米国、衛星迎撃に死活かける(2)
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