過去1年間、中国軍部と長老勢力が手を握り、習近平国家主席の独走を牽制(けんせい)しているという複数の兆候や外信報道が頻繁に流れるようになった。[写真 EPA、グラフィック=チャ・ジュンホン記者]
実際に最近中国共産党は習氏の独断を防ぐための長老の政治介入を公開的に制度化した。6月30日、国営新華通信は2カ月ぶりに政治局会議を伝えながら「党中央の『政策決定議事協調機構』を設立した」と公開した。あわせて「新設された議事協調機構は重要な業務をトップレベルで設計し、総体的に協調・推進して、実行を監督および督促することができる」とした。それだけ地位が高い機構ということだ。
通信はまた「該当の機構は『重大な業務(大事)』を企画・議論・推進しなければならない」とし「重大な業務に対して『統括は代行せず、到達は越権せず』を徹底する」とした。事実上、国政を総括する権限を付与したのだ。
このやや短めの345文字の報道は大きな波紋を広げた。香港オピニオンリーダーのコラムを収集・掲載している「灼見名家(Master Insight)」は2日、「(該当の機構は)長老が直接政治に参加する空間を用意したもの」としながら「1982年鄧小平が作った党顧問委員会と似ているように見えるが、法的によって一層強力な権力を付与されている」と解説した。北京のある分析家は「習近平派一色の現中央政治局7人制常務委員会を牽制する装置」とし「長老が常務委員会会議を招集して出席し、発言することができると明文化したもの」とみている。
◇令夫人と同郷人・馬興瑞氏に職務待機命令
このような報道の直後、習氏側近グループである「習家軍」が要職から排除されて派閥色の薄い人々が躍進し始めた。習氏の夫人、彭麗媛氏(63)と故郷が同じ馬興瑞・政治局員(66、権力序列24位圏)兼新疆ウイグル自治区党書記が1日、待機発令を受けたことが代表的だ。
馬氏に先立ち4月2日、習氏の母校である中国清華大直系である李幹傑・中央組織部長(61)が石泰峰・中央統一戦線部長(69)に職を譲った。過去「キングメーカー」と評価された長老の曽慶紅・元国家副主席(86)と中央党校で長く仕事をした石氏が人事権を掌握した画期的な事件だった。
続いて、1日には石氏と5年間を共にした陳小江・統一戦線工作部副部長(63)は新疆ウイグル自治区党書記に栄転した。このように2人が習家軍の政治局員の席を狙っていることで習主席派閥の退出はさらに加速するだろうとの見方が出ている。これに関連し、台湾聯合報は「待機命令を受けた状態の馬興瑞が統一戦線部長から排除される可能性がある」とし「李幹傑は追加で降格される可能性がある」と伝えた。
長老は政治介入、側近は要職から排除…習近平氏“秩序ある退陣説”(2)
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