米国のトランプ大統領(左)、イスラエルのネタニヤフ首相 [EPA=聯合ニュース]
ネタニヤフ首相は22日(現地時間)、記者会見を開き、イランが保有する濃縮ウラン約400キロの位置について「興味深い情報を持っている」とし「(メディアに)情報を共有できないが、了解してほしい」と述べた。
米国は21日、イランのフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの3カ所の核施設に対する空襲を断行した。しかし現在まで打撃を受けた核施設で外部放射能数値の上昇は確認されていない。イランも「すべての濃縮物質はすでに安全なところに移した状態」と主張している。
濃縮ウランをそのまま保有している場合、イランは核兵器の製造が可能だ。このため米国内の保守シンクタンクでは、米国の空襲がむしろイラン指導部を刺激し、これまでイランがためらっていた核兵器製造に向かわせたという批判が出ている。ジョージタウン大安全保障研究センターのポール・ピラー上級研究員は米国のイラン空襲について「米国が空襲をしたことでイランは核施設と原料を分散させる可能性が高まり、したがって長期間の追加捜索および破壊任務が必要になった」と指摘した。
まだトランプ米大統領はイランに対する追加空襲をめぐりネタニヤフ首相と隔たりがあるという。トランプ大統領は空襲直後、「次の目標はイランとの終戦交渉だ。イランに対する追加空襲は望まない」とネタニヤフ首相に話したと、海外メディアは伝えた。
しかしトランプ大統領は海外紛争に介入しないという基調を翻してイラン空襲を断行した後「核施設だけ攻撃した」という立場を表したが、今では「政権交代」にまで言及しながらネタニヤフ首相側に急激に傾いているのが実情だ。英ガーディアンは「トランプ大統領がネタニヤフ首相の罠にはまった」とし「ネタニヤフ首相が米国のイラン空襲を後ろで調整した」と指摘した。
ネタニヤフ首相は巧妙に状況を導いていく能力と生存力のため、国内外から「ハーメルンの笛吹き男」「イスラエル政界のフーディ二ー」という声を聞く。ネタニヤフ首相は昨年もレバノンに対する地上戦開始を主導し、紛争拡大を防ごうとしたバイデン前米大統領を「完全に圧倒した」(英FT紙)という評価を受けた。
イラン空襲決定過程でトランプ大統領が主導権を失ったような瞬間もイスラエルメディアYネットを通じて公開された。ネタニヤフ首相らイスラエル指揮部は19日、トランプ大統領ら米指揮部と電話をし「(トランプ大統領が提示した猶予期間の)2週間を待つことはできない。イスラエルはイラン核施設に単独攻撃をするだろう」と圧力を加えたという。
イスラエル当局者は空襲協議の過程について「米国を戦争に引き込もうとする印象を与えないよう慎重に接近した」とし「運よくイランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が愚かに米国のすべての提案を拒否した」と政治専門媒体アクシオスに伝えた。
フィナンシャルタイムズ(FT)は「トランプ大統領は空襲直後のテレビ演説で自分が事態を主導していると誇示しようとした」とし「しかし実際はネタニヤフ首相があらゆることを掌握していた」と指摘した。
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