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副作用防ぐというが本末転倒…ウォン連動型ステーブルコインのジレンマ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政界でフィンテック企業などノンバンクのウォン連動型のステーブルコイン発行許容を骨子とした立法議論が活発だ。自己資本5億~10億ウォンで市場参入を可能にするが、犯罪に悪用されたり金利や為替相場に大きな影響を及ぼすことのないよう管理・監督するというのが主要骨子だ。デジタル資産シンクタンクに所属しこれまでウォン連動型ステーブルコインの必要性を力説してきた金容範(キム・ヨンボム)前企画財政部次官が大統領室政策室長に任命され法制化に弾みが付くとの見通しが多い。

ステーブルコインとはビットコインのようにブロックチェーン技術を通じて発行するが、法定通貨や国債に価値を連動させて価格を安定的に維持するデジタル通貨だ。米財務省借入諮問委員会(TBAC)はドル連動型ステーブルコイン市場の規模が5月の2429億ドルから2028年には約2兆ドル規模と約8.3倍に成長するだろうと予想する。


韓国でも銀行取引が難しい外国人労働者にドル連動型ステーブルコインで賃金を支払うなど需要が増加している。これに対しウォン連動型ステーブルコインを作って「通貨主権」を守るべきという声が出ている。


ソウル大学法学専門大学院のイ・ジョンス教授は「ウォン連動型ステーブルコイン発行は避けられない選択。長所を生かし短所を補完することに議論を集中しなければならない」と話す。

だがドルと違いウォン連動型ステーブルコインの需要は限定的だろうとの見方が出ている。ある金融圏関係者は「ドルとウォンの需要と供給はそれぞれのメカニズムがあるため、ウォン連動型ステーブルコインを発行するからとドル覇権に対抗するのは難しい。むしろドル連動型ステーブルコインをウォンに替えるのがより容易になるため、国内居住者のドル連動型ステーブルコイン需要が増える懸念もある」との見方を示した。

韓国国内居住者の立場ではウォン連動型ステーブルコインが発行されれば海外暗号資産取引所でビットコインなどを取引したい時に売買が簡単になる。また、貿易取引や海外送金時の時間と手数料も節約できる。

議論が生じるのは、こうした利点が資本流出や資金洗浄犯罪に悪用される懸念を甘受できるほど大きいかということだ。韓国は基軸通貨国の米国と違い企業や個人が海外に巨額を送金する際に監督当局がモニタリングしているが、民間にウォン連動型ステーブルコインを許容すれば管理に隙が生じる恐れがある。もし国内情勢が不安になれば通貨危機当時以上のスピードで資本が韓国から抜け出るとの懸念もある。

韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁と主要銀行トップは23日の非公開懇談会でウォン連動型ステーブルコインをめぐる意見を交換した。李総裁はこれまで公式の席上で「ウォン連動型ステーブルコイン発行に反対しない」としながらも、「銀行から発行を許容し効用性を確認した後に(ノンバンクまで)範囲を広めていくのが望ましい」という立場を明らかにしてきた。

韓国銀行では通貨政策の有効性が落ちかねない点を懸念する。民間で発行するウォン連動型ステーブルコインは事実上の「私設貨幣」として発行するだけにシニョリッジ(通貨発行益)が生じる。発行会社が顧客が預けた現金で短期債券を買うならその収益率分だけ利益が出る構造だ。

コイン発行会社が高い金利を掲げてウォンを誘致するならば、韓国銀行が景気浮揚に向けて基準金利を下げても市場に資金が回らない副作用が生じる恐れもある。もし特定の発行会社の不渡りで不安が広がり取り付け騒ぎが発生するならば、従来の金融市場にも影響を及ぼしかねない。



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