19日(現地時間)、衛星通信サービス会社のマクサー・テクノロジーズが撮影したイラン・フォルドウ核施設。[写真 AFP=聯合ニュース]
米国はトランプ執権第1期時の2020年1月、ドローンを使ってイラン革命防衛隊コッズ部隊の総司令官ガセム・ソレイマニ氏の除去作戦に関与したことはあるが、1979年のイラン革命以降、イラン本土に直接攻撃を加えたのは今回が初めてだ。
イランが自国の核施設攻撃時には「報復」を公言した状況で、ドナルド・トランプ米政府が取った超強硬策でもある。トランプ氏は特に、イランが核兵器を放棄しない場合、「はるかに強力な攻撃があるだろう」と警告した。イランの報復、米国の再空爆につながる戦争拡大の可能性が懸念されていて、中東地域の軍事的緊張が急激に高まっている。イランはこの日、イスラエルに対するミサイル攻撃を正面から受けた。「核活動を中断しない」という考えも明確にした。「世界経済の核ボタン」になりかねないホルムズ海峡封鎖カードも切った。イラン議会は22日、「自国核施設に対する米国の爆撃に対応する次元で、ホルムズ海峡の封鎖を議決した」とし「最終決定権は最高国家安全保障会議にある」と明らかにした。世界の原油消費量の20%が通過するホルムズ海峡をイランが史上初めて封鎖する事態になれば、世界経済は恐慌状態に陥る可能性がある。
米国のピート・ヘグセス国防長官は22日、国防省庁舎で記者会見を行い、「イランのフォルドウ・ナタンズ・イスファハンに位置した核施設3カ所を対象に、深夜に精密打撃を実施した。イランの核プログラムを破壊し、著しく弱体化させるための措置だった」と明らかにした。作戦名は「ミッドナイトハンマー(真夜中の鉄槌)」と明らかにした。ダン・ケイン統合参謀本部議長は「昨夜、大統領の命令により、米中央司令部で『ミッドナイトハンマー』作戦を遂行した」と明らかにした。
◇おとりB-2は西側、実際の打撃隊は東側…奇襲効果を最大化
ケイン氏はB-2ステルス爆撃機を利用して超大型爆弾バンカーバスターGBU-57を実戦で初めて使った事実を確認した。バンカーバスターGBU-57は、イランの山岳地域フォルドウの地下深くに建設された核施設を地上作戦なしで破壊できる、現存する唯一の武器だ。トランプ氏はソーシャルメディアのコメントを通じて「フォルドウは終わった(FORDOW IS GONE)」とした。
ケイン氏は「20日正午から21日朝まで米本土からB-2スピリット爆撃機編隊が離陸した」とし「攻撃編隊の一部は西の方に移動して太平洋に進入しておとりの役割を果たした」と明らかにした。該当の欺瞞作戦はごく少数の首脳部だけに共有されたという。
ケイン氏は「B-2スピリット爆撃機7機は目標地域へ向かう18時間の飛行の間、戦術的奇襲効果のために最小限の通信だけを維持したまま静かに東に移動した」とし「爆撃機は複数空中給油を受けた」と明らかにした。複数回の空中給油を受けながら大西洋を渡り、目標地点に移動したという意味だ。
ケイン氏は「米国東部時間で21日午後5時ごろ、B-2爆撃機編隊がイラン領空に進入する時点に合わせて中央司令部管轄地域内の米軍潜水艦がイスファハンの核施設目標物を狙って20余発のトマホーク巡航ミサイルを発射した」と明らかにした。続いて「午後6時40分ごろ爆撃機編隊先頭のB-2機がフォルドウ最初の目標地点にバンカーバスター2発を投下し、続いて残りのB-2爆撃機も目標物を打撃した」とし「合計14発のバンカーバスターが目標地点2カ所に投下された」と説明した。
核施設目標物の打撃は午後6時40分から7時5分まで行われた。ケイン氏は「この過程でイラン戦闘機は飛行せず、イランの地対空ミサイルシステムは作戦中に我々を探知できなかったようだ」とした。
ケイン氏は「今回の作戦で米軍は約75発の精密誘導武器を使用し、この中にはバンカーバスター14発などが含まれた」とし「バンカーバスターの初の実戦使用」と話した。また、今回の作戦には米国航空機は125機以上が参加し、B-2ステルス爆撃機、複数の第4世代・5世代戦闘機編隊、空中給油機数十機のほか誘導ミサイル潜水艦などが動員されたと明らかにした。
トランプ氏はこれに先立ち21日午後10時、予定になかった国民向け演説を行った。ホワイトハウス・イーストルームに登場したトランプ氏は「我々の目標はイラン核濃縮能力を破壊して世界最大のテロ後援国であるイランが招いた核脅威を中断させること」と明らかにした。
トランプ大統領はイランに対しては「中東のならず者イランはもうそろそろ平和を選択しなければならない」とし「そうでなければ未来の攻撃ははるかに強力で容易だろう」と公言した。
ヘグセス氏は記者会見でトランプ氏のこの発言をそのまま伝えながらも「米国は戦争を追求しない。今回の作戦は(イラン)体制転換を目標にしたものではない」と話した。
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