米国のトランプ大統領とウィトコフ中東特使の表紙写真が掲載されたイランの新聞 [ロイター=聯合ニュース]
まず1つ目の場合、イスラエル-イランともに準備ができていないという評価だ。トランプ大統領が外交的手段を動員してもイランには受け入れられないという分析もある。メディアは「イランは米国、特にトランプ大統領を信頼しない」と評価した。トランプ政権1期目の2018年、トランプ大統領は米国・欧州連合(EU)国家とイランの間の「イラン核協定(JCPOA)」を破棄した。2020年にはトランプ大統領の指示でイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官が除去された。今回のイスラエル-イラン衝突はイスラエルが先に始めたが、イスラエルの「同盟国」の米国が終わらせなければならない状況になった。
2つ目の場合、米国内で大きな反発が予想される。トランプ反対デモが広がるなど最近世論が悪化しているのもトランプ大統領の立場では負担だ。また米国が戦争に介入する瞬間、イランは「これ以上失うものはない」と判断して「瀬戸際戦術」に出る可能性が高い。
メディアは「1つ目、2つ目の案でなければ、トランプ大統領はイスラエルを持続的に支援する3つ目の案に進むだろう」と伝えた。イスラエルが3月にガザ地区休戦を破棄して以降の状況のように、トランプ大統領が戦争を放置する可能性もある。ただ、米国の支援は制限的というのが専門家の分析だ。峨山政策研究院のチャン・ジヒャン研究委員は中央日報に「米国はイスラエルに防御力は提供するが、イラン核心核施設を攻撃する戦闘力までは与えないはず」とし「イランが米国の施設を攻撃しない限りそうだ」と話した。
◆「双方と親しく、トランプとも近い関係」プーチン大統領、仲裁者に急浮上
チャン委員は「長期的にはイランが『屈服した』というイメージとして映らないラインでトランプ大統領の仲裁下で条件付き協議に入る可能性がある」と予想した。3つの案のうち1つ目の折衝ということだ。イラン内部の情報網が打撃を受け、戦争を続ける余力が大きくないからだ。チャン委員は「イスラエルはイランの核・軍事施設を引き続き打撃し、米国は核交渉中のイランに危機感を与えながらイランが前向きに出てくるのを待つはず」と話した。
イランがトランプ大統領を避ける場合、双方と友好的でありトランプ大統領とも近いロシアのプーチン大統領の手を借りて事態を解決していく可能性があると、チャン委員は説明した。
ロシアは2013年に稼働を始めたイランの唯一の原子力発電所ブシェール原発の建設に主導的な役割をし、イランにS-300ミサイル防衛システムなどを支援した。その一方でプーチン大統領はネタニヤフ首相を何度かロシアに招待するなど「ブロマンス」関係だった。またプーチン大統領はイスラエルの空襲以前にも米国とイランが進行中の核合意に関連し、イランが保有する濃縮ウランを民間用途に変換するのにロシアは技術的支援ができるとし、協力の意思を明らかにしてきた。
◆トランプ大統領「交渉するのに良い時期」
15日、トランプ大統領は双方に交渉を促しながらも「時には国々が先に戦って解決しなければいけない」とも述べた。トランプ大統領はこの日、カナダで開催される主要7カ国(G7)サミットに向かう前、ホワイトハウスで取材陣に「(イスラエル-イラン休戦)合意があることを望む。交渉が行われるのに良い時期だと考える」と話した。イスラエルにイラン空襲を中断するよう要求したのかという質問には「話したくない」として即答を避けた。またイランの報復空襲などから中東地域の同盟国イスラエルの防御を引き続き支援すると明らかにした。
◆「トランプ大統領、イスラエルの『ハメネイ師除去』計画を拒否」
トランプ大統領がイラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師を除去するというイスラエルの計画を拒否したと、ロイター通信が15日報じた。イスラエルが12日、イランの核兵器施設を破壊するために大規模な先制空襲をした後、米当局者はイスラエル側と接触していると、米当局者2人がロイターに伝えた。
2人は特にイスラエル側がハメネイ師を除去する機会があると米国に伝えたが、トランプ大統領がこの計画を拒否したと明らかにした。トランプ大統領がハメネイ師除去計画を実行しないよう伝えたということだが、情報筋はトランプ大統領が直接こうしたメッセージを伝達したかには言及しなかった。
イスラエルのネタニヤフ首相は15日、FOXニュースに「ハメネイ師暗殺計画」質問が出てくると、「実際に起きていない対話に関する虚偽報道があまりにも多く、言及しない」と明らかにした。続いて「私が話せるのは、我々は必要なことをするという点」とし「米国は米国によいことが何である知っていると考える」と述べた。
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