離陸中のカーン(KAAN)試製機 [写真 トルコ国防省]
アジア太平洋地域への防衛産業輸出を強化するトルコがインドネシアと相次いで重要な契約を締結している。6月11日、トルコ航空宇宙産業(TAI)はインドネシアと第5世代戦闘機カーン(KAAN)48機を輸出する100億ドル規模の契約を締結した。トルコ史上最大規模の防衛産業輸出契約は、インドネシアが西側供給企業からの多角化を目標にする中で出てきた。
カーンは2024年2月に最初の飛行に成功し、現在製作中の試製機を含めて初度分は米国産F110エンジンを搭載しているが、2030年までにトルコが開発中のTF35000ターボファンエンジンに転換する計画だ。
インドネシアのカーン戦闘機導入契約は2024年全体の国防予算90億ドルを超えるが、技術移転と現地生産条件で相殺されるとみられる。長期的にインドネシアの防衛産業化目標に一致すると分析されている。インドネシアは西側や中国供給企業に過度に依存せず、戦略的関係を構築できる非同盟国家としての政治的位置を強化している。
両国はカーン戦闘機のほか、トルコ企業ロケサンとインドネシアのPT RDIとアトマカ(ATMACA)対艦ミサイルの共同生産および供給のための協約を締結するなど協力を強化している。中国海軍の影響力が拡大する中、インドネシアは技術支援を基礎に自国生産を通じて海上遮断能力を強化しようとしている。
両国は2020序盤からトルコFNSSとインドネシアPTピンダドが共同開発したハリマウ(トルコ名カプラン)中型戦車の運用を始め、武器の共同開発を本格的に始めた。2025年初めにバイラクタルTB3とアクンジュ中高度長期滞空(MALE)ドローンの現地生産に合意するなど協力を強化し始めた。
トルコはインドネシアのほか、伝統的な協力関係のマレーシア、最近インドと紛争が激化しているパキスタンなどを通じて東南アジア、西南アジア地域に防衛産業進出を広めている。
チェ・ヒョンホ/ミリドム代表/軍事コラムニスト
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