昨年4月に上海で開かれたモバイルワールドコングレス(MWC)で登場したファーウェイのロゴ。[写真 AFP=聯合ニュース]
◇台湾、中国ファーウェイとSMICをリストに追加
ブルームバーグによると、台湾経済部国際貿易局は14日、ファーウェイとSMICとこれら企業の一部子会社を戦略的先端技術企業リストに追加した。中国最大の通信装備企業であるファーウェイは最近先端AIチップ開発に注力しており、SMICは半導体チップを委託生産する中国1位のファウンドリー企業だ。
台湾政府は別途の報道資料は出さずイントラネットに企業リストを掲示した。今後台湾企業はファーウェイとSMICなどに資材や装備などを輸出するには事前に政府の承認を受けなければならない。
これまで米国の対中半導体輸出制裁にもかかわらず、台湾の一部企業は中国の半導体企業と協力を持続してきた。台湾政府が露光装備など核心半導体製造装備の中国迂回輸出を禁止してTSMCもファーウェイとの取引を中断したが、中国の半導体ファブ(生産施設)建設に関連した輸出は規制対象ではなかったためだ。
ブルームバーグは2023年に現場取材を通じてファーウェイの半導体ファブ建設現場に複数の台湾企業社員が勤務していることを報道した。これら企業は廃水処理設備や化学物質供給システム構築などを担当した。TSMCファブ建設経験が豊富な台湾企業は地理的に近く言語疎通も円滑で中国内ファブ建設契約受注に有利だ。ただブルームバーグは「米国の制裁は米国産技術の対中輸出を制限するよう設計されており、こうした台湾企業の関与が制裁違反なのかは不明だ」と分析した。
◇3ナノに挑戦する中国、台湾牽制本格化
台湾政府がファーウェイとSMICを輸出制裁対象に指定したのは、中国のAIチップ自立に核心的な企業2社に対する台湾の警戒が大きくなったためと分析される。ファーウェイは来年に3ナノメートル(ナノは10億分の1)工程の半導体チップを発売する計画だが生産をSMICが引き受ける。
TSMCは下半期から2ナノプロセスの量産を始めるだけにSMICとの技術格差は相変わらずだが中国の急速な追撃を鋭意注視している。SMICは超微細工程に必須の極端紫外線(EUV)露光装備なく旧型深紫外線(DUV)装備でファーウェイの5ナノチップを生産して業界を驚かせるなど技術自立の歩みを進めている。
またTSMCなどに対するトランプ政権の対米投資圧力が続く中で、台湾政府が米国の対中規制に足並みをそろえなければならない複合的な利害関係が反映された結果とも分析される。
◇ファーウェイ会長「謙遜」発言の中で技術自立も意志
しかし台湾の輸出制裁で中国の「半導体崛起」が折れるかは未知数だ。すでに先月中国広東省深センでファーウェイが主軸となり運営中する大規模ファブ3カ所が衛星写真に捉えられるなど中国の独自半導体生産能力は急速に拡張している。ファーウェイは半導体設計から装備製造、後工程(パッケージング)まで全工程を自国内で解決しようとする垂直系列化戦略を推進中だ。
ファーウェイの任正非会長は10日、中国国営メディアとのインタビューで「ファーウェイのチップはすごくなく、米国より1世代遅れている」と発言して注目を集めたが、研究開発投入費用を強調し技術自立の意志を明確にした。ファーウェイの昨年の研究開発支出額は約35兆ウォン(約3兆6952億円)でサムスン電子と同水準だ。
今後の中国の対応も注目される。すでに中国商務省は先月21日にファーウェイのAIチップ使用を禁止した米国の措置を狙い「反外国制裁法」の適用を検討すると明らかにした。この法律は「さまざまな理由を付けて中国人と組織に対し差別的な制裁を加える場合、中国内資産と知的財産没収など反撃措置を取ることができる」と規定している。
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