ソウル江南区駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)の韓国科学技術団体総連合会のビルに入った「ソウル創業ハブ・スケールアップセンター」。ムン・ヒチョル記者
グローバル・スタートアップ・エコシステム評価機関「米スタートアップ・ゲノム(Startup Genome)」は12日(現地時間)、「グローバル創業生態系報告書2025」を発表した。この報告書で公開した「起業しやすい都市」評価で、300余りの評価対象都市のうちソウルは世界8位を占めた。スタートアップ・ゲノムが同じ評価を始めて以来、過去最高順位であり、2年連続で「トップ10」入りを果たした。
今回の報告書は、2022年7月から2024年12月までの2年6カ月間の成果を基準に、都市の創業生態系を評価した。具体的な評価項目は知識蓄積、資金調達、生態系の活動性、市場進出、創意経験・人材育成、人工知能(AI)中心転換など大きく6分野だ。
ソウル市は、この中で知識蓄積分野で満点を取り、全世界1位を占めた。知識蓄積分野は特許出願率や技術の複雑性などを評価する分野だ。資金調達(世界5位・アジア1位)分野など核心分野でも高い点数を得た。6分野のうち5分野でそれぞれ10点満点に9点以上を記録した。
このような成果についてソウル市は「技術基盤産業に先制的に投資し、創業インフラを持続的に拡充したおかげ」と解釈した。ソウル市はソウル型研究開発(R&D)事業を通じて2005年以降19年間9000億ウォン(約950億円)以上を投入し、未来革新成長ファンドとソウルビジョン2030ファンドを通じて5兆ウォン規模の投資財源を用意し、創業企業を支援した。
市場進出部門の評価も肯定的だ。スタートアップ・ゲノムによると、ソウルのスタートアップは大規模な資金回収(Exit)に成功した事例がたびたびあり、このような成果が市場進出部門の順位上昇をけん引した。実際、世界主要都市の大型資金回収成功事例が平均31%減少する間、ソウルは4%増加した。ソウルのスタートアップ・エコシステムが投資家の観点からも競争力を備え始めたということだ。
創意経験・人材育成分野ではソウル市がつくった様々な起業インフラが影響を及ぼした。ソウル市は良才(ヤンジェ)AIハブ、洪陵(ホンルン)バイオハブ、汝矣島(ヨイド)フィンテックハブ、上岩(サンアム)創造産業拠点などを作り、昨年はスタートアップ専用投資施設「ソウル創業ハブスケールアップセンター」を開館した。さらに2030年までにソウルの森近くにグローバルユニコーン育成施設「ソウルユニコーン創業ハブ」も作るという計画だ。
世界市場参入への支援も強化している。ソウル市はベトナム・インド・シンガポールなど7カ国に海外拠点を設け、国内スタートアップの海外進出を支援している。
ただ、今年新規評価項目として追加した「AI中心転換」項目で比較的に低い点数(3点)を得た。このような部分を補完するためにソウル市は昨年「ソウルAIハブ」を開館し、教育プログラムを提供している。
目立つ部分は、ソウルの順位がシンガポール(9位)、東京(11位)を上回ったという点だ。アジア主要都市の中では北京(5位タイ)に次いで2番目に高い順位だ。1位は依然として米カリフォルニア州シリコンバレーが占め、米ニューヨーク(2位)、英ロンドン(3位)、イスラエルのテルアビブ(4位)の順だった。米ボストンは北京とともに5位タイだ。
ソウル市のチュ・ヨンテ経済政策室長は「世界経済の不確実性が深化し、投資が萎縮する状況でもソウルが過去最高順位を記録した」として「2030年までにグローバルトップ5の企業都市に飛躍し、ユニコーン企業50社を育成するために支援する」と明らかにした。
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