卵価格が2カ月間で2倍水準に高騰した。[写真 聯合ニュース]
韓国農水産食品流通公社によると、4月8日に3425ウォンで取引された卵1パックの卸売価格は今月8日に6800ウォンまで高騰した。以前にも2カ月で卵価格が2倍近く高騰したことがあった。2016年11月の鳥インフルエンザ発生後に韓国の全産卵鶏の36%に当たる2500万羽以上が殺処分されたため。今年も3月に忠清南道天安(チュンチョンナムド・チョナン)を中心に鳥インフルが発生したが、490万羽を殺処分する程度で沈静化した。飼料価格が高騰することもなかった。飼料の主要原料であるトウモロコシの国際平均価格は9日基準で1ブッシェル当たり442.5ドルとなり、1月の476.3ドルより下がっている。
卵価格が2カ月間で2倍近くに急騰した背景には、9月に施行が予定される産卵鶏飼育面積拡大制度が理由という分析が出ている。韓国政府は2018年に鳥インフルによる混乱が起きた後、畜産法施行令を改正して産卵鶏飼育面積を1羽当たり0.05平方メートルから0.075平方メートルに拡大した。新規農場には即時施行され、既存農場は9月から適用される。農場主の立場では同じ面積で育てられる鶏が30%以上減り、卵の生産もそれだけ減少することになる。
制度施行を控え農家では生産性を高めるためにあらかじめ老鶏をひよこに入れ替えている。産卵鶏は孵化後32週間までは10日に8.5個の卵を産むが、65週を過ぎると10日に4~5個の水準まで散乱率が落ち込む。ある卵農場関係者は「農場主が財布をはたいて老鶏の代わりにひよこを買い入れる中で、600ウォンだったひよこ価格が1000ウォン台に上昇した。すぐに卵の生産ができなくても長期的にはひよこを育てて散乱率を高めることが利益」と話した。
独特の卵流通構造も理由に挙げられる。流通業界によると、韓国で生産される卵の60%は卵収集商と呼ばれる流通商を経る。大型マートのような大手流通企業が大型農場から直接購入する割合は30%、農協など集荷場を経るのは10%程度だ。
鮮度が重要な卵は農場で生産された直後に販売される。こうした特性上、卵収集商が農場を毎日訪問して回収、洗浄して流通する方式で流通する。牛や豚のように特別な食肉処理作業や前処理過程なく洗浄だけすれば食べられ、他の畜産物のように政府が正確な現況を把握したり一括統制したりしにくい構造だ。
「卵収集商が1日休むだけでも卵価格が上がる」という話が出る理由だ。ある卵収集商は「最近は直接取引する大型農場が増え、どこか1カ所だけ納品価格を上げても相次いで引き上げられるが、反対に1カ所下げたら損をしてでも引き下げなければならない状況。現実的な卵流通構造改善や需給現況把握が必要だ」と話した。
業界ではしばらく卵価格の上昇が続くとみている。韓国鶏卵産業協会のカン・ジョンソン会長は「卵生産が減るほかない畜産法改正案が施行されれば卵価格は維持できない。無条件で価格を押さえ込むよりは現実的な生産・流通を合わせた全方向的な管理が必要だ」と話した。
この記事を読んで…