世界最大の電気自動車メーカーである中国BYDは先月22モデルの価格を最大34%割引販売すると発表した。写真は中国煙台港で輸出船積みを待つBYDの電気自動車。[写真 AFP=聯合ニュース]
自動車業界によると、供給過剰と需要不振を同時に体験している中国の電気自動車メーカーが内需で消化できない物量を海外に低価格で輸出する見通しだ。世界最大の電気自動車メーカーBYDは先月22種類のモデルで価格を最大34%割引して販売すると発表し競争の信号弾を打ち上げた。
中国に乱立する100以上の自動車ブランドは過剰生産の原因とし指摘されている。中国乗用車協会(CPCA)によると、4月の中国の自動車在庫は350万台で、2023年12月以降で最高水準を記録した。これさえも生産施設を一部だけ稼動したものだ。ブルームバーグは9日、昨年の中国自動車産業の平均生産稼動率が49.5%にすぎなかったと報道した。
中国の低価格電気自動車攻勢が本格化すれば東南アジア、中東、南米など中国の影響力が強い新興国市場で韓国自動車業界の収益性が悪化する恐れがある。世界的コンサルティング会社プライス・ウォーターハウス・クーパース(PwC)によると、東南アジアの自動車市場で韓国のシェアは2023年の5.3%から昨年は5.0%に減ったが、同じ期間に中国のシェアは3.4%から5.0%に上がった。
現代自動車の中国市場再進出も厳しくなった。現代自動車中国合弁法人の北京現代は4月に中国市場向け電気自動車モデル「エレクシオ」を公開して市場攻略計画を発表した。韓国自動車研究院のイ・ハング諮問委員は「中国の電気自動車市場はいつになく競争が激しい状況。当面の収益を期待するよりは現地企業と直接ぶつかって競争し電動化技術の水準を高める効果を狙わなければならないだろう」と話した。
ただ北米と欧州など関税障壁が高い先進国市場では中国の電気自動車攻勢が効果を出しにくい。これら地域では中国製電気自動車よりはテスラなど高級ブランドが韓国の自動車業界の競争者に挙げられる。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する反感から始まったテスラ不買運動が現代自動車グループには好材料として作用している。SNEリサーチによると、1~4月のテスラの電気自動車販売台数は42万2000台で前年同期比13.4%減ったが、同じ期間に現代自動車グループの販売台数は19万台で11%増えた。
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