第21代大統領選挙の投票日である3日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の青瓦台に観光客が殺到している。[写真 ニュース1]
考古歴史学・建築学など関連学界では大統領室の青瓦台復帰が現実的に避けられないということを認めながらも残念だという見方を示した。彼らは青瓦台が高麗(コリョ)時代の三京の一つだった南京の跡地であり、朝鮮時代の景福宮(キョンボックン)の後苑として作られた歴史的空間ということに注目し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府で開放自体に汲々としたあまり、このような価値がきちんと研究・照明されなかったと批判した。
実際に、2023年1月、韓国建築歴史学会などが発表した「景福宮後苑基礎調査研究」の結果、青瓦台一帯で高麗~朝鮮時代のものと推定される瓦・陶器・甕器の切れなどの遺物と遺物散布地8カ所が確認された。当時、青瓦台開放関連業務を担当していた文化財庁(現・国家遺産庁)の宮陵遺跡本部が発注した同調査は、本格的な試掘の必要性を提起した指標調査の意味を持っていた。しかし、青瓦台の運営・管理が2023年3月に文化体育観光部に移り、文化財の発掘より公演・展示など活用の方に重みが置かれた。
2023年の基礎調査の時に参加した高麗大学のリュ・ソンリョン教授(建築学)は4日、中央日報との電話インタビューで、「景福宮と後苑(青瓦台)を結びつけることで、明成(ミョンソン)皇后殺害事件当時の移動経路を明らかにするなど後続研究も可能だが、全く進んでいない」とし、「遺産としての価値探索は始まってもいない」と話した。
全州(チョンジュ)大学のイ・ジェウン名誉教授(元文化財委員会史跡分科委員長)は、「高麗時代、南京の離宮があった歴史のようなものが、きちんと研究されないまま急いで開放されたのが最大の問題だ」と話した。また「未来世代に譲る象徴的な国家遺産だが、今は遊園地になってしまった感じ」とし「今からでもどこを保存して公開するか専門家の調整が必要だ」と話した。
国家遺産庁のユン・ジュ自然遺産委員も「2022年に青瓦台の老巨樹6本が天然記念物に指定されたこと以外に追加調査を通じて史跡指定などが必要なところがある」と話した。現在、青瓦台の境内には2018年宝物に指定された『慶州方形台座石造如来坐像』(9世紀)、ソウル市有形文化遺産『枕流閣』(1900年代初め)などがある。
岐路に立たされた青瓦台開放…「歴史的な空間の価値を生かしていくべき」(2)
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