ある学生がハーバード大学の建物の前を通っている。[写真 新華社通信=聯合ニュース]
蒋さんは中国語で表記された洗濯機の説明書を外国人の友人に翻訳したエピソードを紹介し、多様性と国際化の必要性を強調した。米国メディアは蒋さんが数年ぶりにハーバードで代表演説を行った中国人学生だと報じ、蒋さんはまたたく間に中国SNS上でスターとなった。一部では平等と包容を主張する演説内容を評価し、応援団長服を連想させる中国式の刺繍をあしらった卒業衣装も称賛した。特に蒋さんの演説はドナルド・トランプ米国大統領にこそ言及してはいなかったが、トランプ氏の留学生「禁止令」に反論する内容だったという外信の報道も出てきた。
だが、程なくして反転が起きた。蒋さんのバックグラウンドが明らかになって「金の箸とスプーン」出身問題が中国SNS上を熱くしたためだ。中国生物多様性保護および緑色発展基金会(中国緑発会)が2022年蒋さんがこちらでインターンとして長期間ボランティア活動をし、協会の周晉峰事務総長が作成した推薦書でハーバードに入学したと発表した事実が明らかになったと香港明報が2日、報じた。特に蒋さんの父親が同会特別ファンドの執行取締役であり、娘の蒋さんがハーバード大学の推薦を受けたのは利益提供の疑いがあるという論争が提起された。中国インターネット上ではすぐに公正性問題が提起され、協会は該当の掲示物を削除して事態の火消しに出た。
蒋さんのアッパチャンス問題は中国最大SNSを炎上させた。2日、微博の検索ハッシュタグ「#ハーバード大演説中国女子学生進退両難#」は一日で4033万回を記録した。中国SNSで蒋さんの演説動画が拡散し、「中国共産党の宣伝がハーバードキャンパスを染めた」という評価を受けた一方、蒋さんの演説は西側の「ポリティカル・コレクトネス」(PC、政治的正しさ)に合致しているだけとし、中国緑発会が非政府組織(NGO)を活用して中国に理念的潜入を試みる西欧の代理人という非難も提起された。公開された資料によると、中国緑発会は官営中国科学技術協会が管理する全国規模の公共財団だ。
一方、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1日(現地時間)、ハーバード大学ケネディスクールが中国で中国共産党の「中央党校海外分校」と呼ばれるほど党高位幹部の留学が多いと報じた。トランプ第1期のときに中国貿易交渉団代表だった劉鶴・元副首相、李源潮・元国家副主席が同校の出身だ。実際、上海党機関紙「上観新聞」は2014年「中国共産党の『海外党校』ランクを付けるなら、ハーバード大学行政大学院ケネディスクールが1位でなければならない」としていた。
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