2023年12月にイスラエル軍が公開したパレスチナ武装政派ハマスの指導者ムハンマド・シンワル氏。[写真 ロイター=聯合ニュース]
イスラエル軍とイスラエル総保安庁(シン・ベート)は先月31日(現地時間)、共同声明を出し、先月13日、ガザ地区南部のハンユニス欧州病院を空襲し、シンワル氏など主要指導部を除去したと明らかにした。IDFとシン・ベートは「彼らは病院とその周辺にいる民間人を故意に危険に露出したまま病院下の地下の指揮統制センターで作戦を遂行する途中に除去された」と明らかにした。
シンワル氏は2023年10月7日、ハマスのイスラエル奇襲攻撃を企画したハマス最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏の弟だ。昨年10月、兄がイスラエル軍に射殺されると、指導者の座を譲り受けた。これに先立って先月28日、ネタニヤフ首相がシンワル氏除去の事実を議会で報告したが、軍と情報機関がこの日、該当事実を公式的に再確認した。
イスラエル軍は、シンワル氏の射殺の情況も公開した。空爆は先月初め、ハマスの高官が停戦と人質交渉を話し合うために一堂に会するというウォール・ストリート・ジャーナルの報道を機に準備された。通常、シンワル氏は襲撃を避けるため人質を手元に置いてきた。しかし、攻撃当日には、シンワル氏とハマス関係者の周りに人質がいなかった。このような情報を確保したイスラエル軍は、戦闘機を動員して30秒で50発以上のミサイルを彼らの根拠地に発射した。
イスラエル軍は「攻撃に使われた精密ミサイルが病院の建物は崩さずにハマスの指揮統制施設と地下トンネルを正確に打撃し、ハマス高位幹部らを射殺した」と明らかにした。イスラエル当局は、シンワル氏の側近でハマス北部旅団司令官のイッズッディーン・ハグダード氏がハマスを率いるものとみている。
シンワル氏の死亡が今後の人質解放と休戦交渉過程に及ぼす影響にも関心が集まる。一部では、シンワル氏の死亡でハマスの強硬な交渉態度に変化がもたらされるという期待も出ている。しかし、ニューヨーク・タイムズは「この1年半の間、イスラエルがハマスの最高指導者数人を射殺したにもかかわらず、ハマスの戦闘方針は変わらなかった」と指摘した。昨年7月にイスマイル・ハニヤ氏、昨年10月にヤヒヤ・シンワル氏などの幹部が除去されてもハマスの態度が変わらなかったように、シンワル氏の死亡もハマスに大きな変化を与えない可能性があるということだ。
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