ソウルのサムスン電子瑞草社屋にサムスンの旗がはためいている。[写真 ニュース1]
米デラウェア地裁の公開資料によると、サムスン電子は20日に特許管理法人(NPE)のネットリストが保有するHBMと関連した特許を侵害していないことを確認する訴訟を提起した。対象特許はDRAMダイを積層する技術の特許だ。ネットリストは前日に「外国企業特許の狩り場」と呼ばれるテキサス東部地裁にサムスン電子を相手取りHBM特許侵害訴訟を提起した。サムスン電子は「この訴訟はネットリストがサムスン電子に対し繰り返し特許侵害を主張したことから始まった。サムスン電子は特許を侵害していないという宣言的判決を裁判所に要請する」と提訴理由を明らかにした。特に「ネットリストはこの特許が公式発行される前からサムスンを相手に侵害を主張しようとした」と強調した。
◇終わらないネットリストとの戦争
ネットリストは2000年にLG半導体出身のホン・チュンギ代表が米国に設立した。サムスン電子はこの会社と2015年に特許クロスライセンス契約を締結した。だが契約が終了すると訴訟戦が始まった。テキサス東部地裁は2023年の判決で3億300万ドル、2024年の別の事件では1億1800万ドルをサムスン電子がネットリストに支払うよう命じてネットリスト側の手を上げた。2件は現在控訴審の段階であり、このほかにも複数の訴訟が進行中だ。
◇パテントトロールのターゲットになるサムスン電子
サムスン電子は米国で相次いで特許侵害訴訟を起こされている。昨年米国で特許侵害により訴えられた件数だけで86件だ。2023年の51件と比べ70%増えた。昨年アップルに提起された特許侵害訴訟が43件、グーグルが39件、アマゾンが46件、メタが11件であるのに比べサムスン電子は目立って多い。
訴訟を提起するのは大多数がNPEだ。特許権者などから特許を買い入れた後、企業に訴訟を起こし合意金と賠償金を受け取る所だ。サムスンが米国でNPEのターゲットになる理由について専門家らは、▽先導技術製品群が膨大で▽売り上げ規模が大きい上に▽米国進出が活発な企業――である点を挙げる。世界的コンサルティンググループのエーオンによると、米国で特許紛争が多い産業群はソフトウエアが15%、製造が12%、ネットワーキングが11%、コンピューティング・電子が10%、半導体が6%の順だった。成均館(ソンギュングァン)大学法学専門大学院のチョン・チャホ教授は「特許管理企業から見てサムスンは金持ちのディープポケット。製品数が多く集中ターゲットになる」と話した。米国企業に親和的な訴訟環境も影響を及ぼしているとみられる。サムスン電子の昨年の訴訟86件のうち63件は特許訴訟で、原告親和的で判決賠償額の規模が大きい方であるテキサス東部地裁に集まっている。
◇米国登録特許数増やすサムスン
専門家らは世界的に事業をする以上は特許訴訟を根本的に遮断するのは難しいため対応力が重要だと指摘する。サムスン電子の場合、米国に登録する特許数を2022年の8500件から昨年は9228件に増やす形で対応中だ。サムスン電子は「紛争に効果的に対応するため米国で多くの特許を保有するもの。今後も技術保護に向け登録件数を着実に増やすだろう」と話した。KAIST文述(ムンスル)未来戦略大学院のチョン・ウジョン教授は「社内に強力な特許管理システムを構築し技術開発段階から特許ポートフォリオを管理しなければならない。潜在的訴訟を防ぐために特許を買い取るなどの努力も積極的にしなければならない」と話した。
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