海兵隊第2師団の上陸突撃装甲車(KAAV)が22日、白翎島地域で開かれた合同島嶼防衛訓練で上陸のために海上機動している。[写真 韓国海兵隊司令部]
26日、外交筋によると、北朝鮮は韓国の世界地質公園指定申請に対して、「安保的な憂慮がある」という旨で異議を申し立てたという。韓国政府は、まだユネスコ事務局から北朝鮮が提出した異議申請の内容を通知されなかったが、非公式的にこのような内容を把握したものとみられる。ユネスコは規定上、加盟国が異議申し立てをすれば指定手続きを中止し、関連当事国が問題を解決するようにしている。
これに先立ち、ユ・ジョンボク仁川(インチョン)市長は、北朝鮮が指定手続きにブレーキをかけた背景について、「韓国の海上領土であることが明らかな西海北方限界線(NLL)に対する無力化の意図がる可能性が大きい」と述べた。実際、北朝鮮が安保上の理由をユネスコ側に取り上げたことが分かり、北朝鮮が西北島嶼一帯を紛争地域化しようとしているのではないかという懸念の声もある。
昨年11月、仁川市がユネスコに世界地質公園として登録を申請した区域は白翎面(白翎島)、大青面(大青島・小青島)一帯の陸上66平方キロメートルと海上161平方キロメートルだ。いずれもNLL以南にあるが、北朝鮮はNLLそのものを認めていない。北朝鮮は韓国の申請によって白翎・大青・小青島周辺海域が世界地質公園に登録される場合、国際機関がこの区域を韓国側の領海として公式に認定する効果を出すことができると見て反発した可能性がある。
従来から北朝鮮は西海に恣意的な境界線を引いて管轄権を主張してきた。北朝鮮は第1次西海交戦〔延坪(ヨンピョン)海戦〕直後の1999年9月には西北島嶼の海上をすべて含む「朝鮮西海海上軍事境界線」を主張した。また、2007年11月の南北国防長官会談では、西北島嶼より北だが、やはりNLL以南に引いた「海上警備界線」を主張した。
昨年から北朝鮮は「南北は敵対的二国」という基調の下、西海海上境界線を新たに設定したという点も示唆した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は昨年2月、「延坪島と白翎島の北の国境線水域」に言及し、先月25日には「中間係船海域」という表現を使った。
これは1953年に国連軍司令部が画定し、南北間の慣行として確立された境界線であるNLLを無力化しようとする試みとみられる。北朝鮮が西海海上の境界線を一方的に設定するだけでなく、国際社会でも韓国の正当な活動をけん制すると同時に、挑発の名分を立てることができるという懸念が提起されている。
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