尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が21日、映画『不正選挙、神の作品なのか』観覧を終えた後に拍手している。左からイ・ヨンドンPD、尹前大統領、チョン・ハンギル元韓国史講師 [聯合ニュース]
尹前大統領は戒厳当時、不正選挙疑惑を確認する必要があるとして中央選挙管理委員会に戒厳軍を投入した。憲法機関に対するこうした措置は弾劾の主な理由の一つだった。特に今は大統領選挙が進行中であり、また熱烈支持層を不正選挙陰謀説であおるのかという批判を受けても返す言葉がなくなった。本人の内乱容疑を減らすためにどうにかして不正選挙論を合理化しようという試みだという指摘も出ている。
映画観覧後に尹前大統領は公開発言なく席を外したが、イ監督は「尹前大統領は『コンピューターなど電子機器なしに、台湾式やドイツのような透明な方式で選挙が行われなければいけないようだ』と話した」と伝えた。またイ監督は「期日前投票をなくして手作業で開票すれば、すべての結果に承服するだろう」と主張した。大統領選挙の在外国民投票がすでに始まり、来週は期日前投票が実施されるが、尹前大統領の映画観覧は選挙の信頼を落とす彼らのあきれる主張を後押しすることになった。国家の元首まで務めた人が非常戒厳や罷免に対する反省や謝罪をまともにせず、依然として不正選挙陰謀説の迷妄から抜け出せていない姿にあきれる。
尹前大統領は国民の力を離党しながら金文洙(キム・ムンス)候補に対する支持を訴えた。しかし自身が不正選挙関連の行動をしてむしろ障害になっているという反応が党内から出ている。国民の力は尹前大統領が離党しただけに党とは関係がないと一線を画したが、不正選挙フレームがよみがえるのでないかと心配している。世論調査で李在明(イ・ジェミョン)共に民主党候補にリードを許している金候補としては中道層に支持勢力を拡張することが急がれるが、尹前大統領が助けるどころかむしろ足かせになっている。自身のために早期大統領選挙が行われることに責任を感じているのなら、尹前大統領はいかなる形態であれ大統領選挙に介入しようとする試みをやめなければいけない。「李在明候補の第1号選挙運動員を自ら要望するのか」という党関係者の声に耳を傾けて自重することを望む。
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