韓国政府は20日に米ニューヨークで開催された国連総会議長主催の北朝鮮の人権問題に関する会合に参加したと韓国外交部が明らかにした。[写真 韓国外交部]
今回の会合は昨年コンセンサスで採択された国連総会北朝鮮人権決議に基づいて開かれた。国連総会次元で初めて開催された北朝鮮人権関連会合だ。
韓国外交部は「安保理と人権理事会に続き国連の代表機関である総会次元で北朝鮮人権問題に対する集中的な議論が行われた点で意味を持つ」と説明した。また、北朝鮮の人権問題に対する国際社会の幅広い参加と関心を向上する契機になったと評価される。
韓国首席代表として参加した黄浚局(ファン・ジュングク)国連大使は「今回の会合は国連総会が北朝鮮人権決議を採択して20年ぶりに総会次元で開催された歴史的な会合」と強調した。
黄大使は奴隷化の反人道犯罪に当たる北朝鮮の強制労働状況、強化される監視と国境統制、表現の自由制約状況など、悪化している北朝鮮の人権状況をひとつずつ指摘した。
黄大使は北朝鮮に対し、拉致被害者、抑留者、韓国軍捕虜問題の即時解決と、北朝鮮に抑留された韓国人宣教師キム・ジョンウク、キム・グッキ、チェ・チュンギルの3氏の早急な解放を促した。また、強制送還された脱北者に対する非人道的な待遇に懸念を示し、すべての国連加盟国に強制送還禁止の原則順守を促した。
合わせて北朝鮮の人権侵害と核・ミサイル開発の連係を指摘し、「北朝鮮住民の苦痛の上で構築された武器がウクライナ戦争長期化に利用されており、これは国際非拡散体制と平和・安全保障を脅かす」と警告した。
多くの出席国もロシアと北朝鮮の軍事協力に懸念を示す一方、悪化している北朝鮮の人権状況を指摘し北朝鮮の人権状況改善に向けた努力を促した。
会合にはフィレモン・ヤン国連総会合長とイルゼ・ブランズ・ケリス国連人権担当事務次長補、エリサベス・サルモン北朝鮮人権状況特別報告者らが参加し深刻な北朝鮮の人権状況に対する国際社会の持続的な関心と対応を強調した。
脱北者の人権運動家キム・ウンジュさんとカン・ギュリさんも発言者として出て北朝鮮の人権侵害実態に対するリアルな証言を伝えた。
キムさんは11歳で飢えの中で父親を失い、母と姉とともに豆満江(トゥマンガン)を渡って脱北し、中国で人身売買に遭う苦難の経験を証言した。
キムさんは「現在も若い北朝鮮兵がロシアのためにウクライナ戦争に派兵され現代版奴隷制度のスケープゴートになっている。彼らは自分がどこにいるのか、だれと戦うのか、なぜ戦うのかも知らぬまま金正恩(キム・ジョンウン)政権の金儲けの手段になっている」と話した。
国連総会初の北朝鮮人権会合…脱北者の証言めぐり南北衝突も(2)
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