先月30日、ハンファオーシャン巨済造船所を訪問した米海軍のフェラン長官(左から3人目)がハンファの金東官副会長(左から4人目)と軍艦を背景に記念撮影をしている。[写真 ハンファオーシャン提供]
米トランプ政権が推進する造船産業再建を韓国の造船産業発展の機会として活用すべきとの主張が出された。韓国経済人協会は19日、韓国海洋大学のリュ・ミンチョル教授に依頼して出した「米国造船産業分析と韓米協力での示唆点」と題する報告書で、韓米両国が造船産業でウィンウィンとなる戦略を提示した。
韓国経済人協会は報告書で、米国議会が4月に発議した造船と港湾インフラに関する法律に基づき米国籍の戦略商船団を250隻まで増やし、2047年までに液化天然ガス(LNG)輸出貨物の15%を米国で建造した船舶で運送するよう規定した点に注目した。報告書は、米国政府が造船産業再建政策により2037年までに商船、LNG運搬船、海軍軍艦などを含め最小403隻、最大448隻の船舶を発注すると予想した。その上で韓国政府と造船業界がこうした流れを韓国造船産業の発展機会とするために分野別の対策をまとめるべきと強調した。
具体的にそれぞれの特性に合わせた戦略を用意すべきと提言した。例えばLNG運搬船は米国が短期間に自国で建造するのが難しいため、中長期観点から現地化するほかない点を狙うべきということだ。米海軍艦艇の場合、先端武器システムと関連するため、整備・修理・オーバーホール(MRO)と新造を早い時期に韓国に任せる可能性は少ないと分析した。したがってMRO分野では、船体補修作業を中心に信頼を積んだ後、船体改善・補修に受注範囲を拡大し、長期的には武器システムを含んだMROに進出する戦略が必要だと提言した。
海軍艦艇新造分野では、先端軍艦より輸送艦・支援艦と揚陸艦に焦点を合わせるべきとみた。軍艦輸出能力を育てるには軍艦武器と戦闘システムを高度化するなど独自の競争力から高めなければならない。中大型液体水素運搬船、無人自動運航船舶など次世代船舶関連の先端技術を研究し事業化するために韓米共同基金を設けることも検討すべきと主張した。
韓国国内の造船産業基盤を固めることも重要だと強調した。米国の造船所を買収する場合、そうでなくても不足する韓国国内の造船人材の流出が加速しかねないためだ。短期的には米国に建造経験がないLNG運搬船、砕氷船など一定量から韓国国内で建造すべきと助言した。米国造船所に国内造船業界引退者を再雇用する案も検討しなければならないといった。
報告書はまた、造船産業研究所(仮称)を設立し、外交、通商、産業、エネルギー、物流、金融などを統合した造船産業育成戦略をまとめるべきと提言した。リュ教授は「米国政府の政策基調変化の可能性にともなう事業リスクを綿密に点検し、米国の支援政策が一貫性を維持できるよう両国が持続して協議しなければならない」と強調した。
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