米国連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー元局長が15日、貝殻が数字「86 47」に見えるように配列された1枚の写真をインスタグラムに投稿してドナルド・トランプ大統領暗殺扇動論争に巻き込まれた。写真はトランプ大統領とコミー氏。[写真 ロイター=聯合ニュース]
一見すると意味不明の4つの数字の組み合わせに米国政界が大騒ぎになった。ドナルド・トランプ大統領暗殺扇動論争が持ち上がりながらだ。
連邦捜査局(FBI)元局長のジェームズ・コミー氏が15日にインスタグラムに投稿した1枚の写真が発端になった。コミー氏は砂の上に貝殻が数字「86 47」に見えるように配置した写真を投稿して「浜辺の散歩道でみた素敵な貝の配置」というコメントを残した。
これに対して国土安全保障のクリスティ・ノーム長官は「不名誉退陣したコミー氏がトランプ大統領の暗殺を扇動した」として直ちに問題視した。あわせて国土安全保障省と大統領警護隊(シークレットサービス、SS)次元で強硬に対応する考えだと話した。
◇コミー氏、大統領警護隊の調査を受ける
コミー氏は結局16日午後、ワシントンD.C.にある大統領警護隊に出頭して掲示物を投稿した目的や経緯などに対する調査を受けた。ノーム氏は「現在捜査が進行中」としながら「トランプ大統領の身辺保護のために必要なすべての措置を引き続き講じていく」と話した。「トランプ忠誠派」として知られているカシュ・パテルFBI局長も「大統領警護隊に必要なあらゆる支援を行う」と言って力を加えた。
米国で数字で「86」は「追い出す」または「除去する」の隠語として通用していて、さらには「殺す」という意味でも使われることがある。1930年代ニューヨークなど飲食店街で「メニューにはあったものがこれ以上サービスされていない」という意味で、簡単に86と書いて理解し合っていたことから発展して、「除去」「殺人」などの意味に拡張されて使われたという。
◇「86 47はトランプ暗殺扇動メッセージ」
「47」は第47代米国大統領のトランプ氏を象徴するというのが捜査当局の見解だ。これに伴い、「86 47」は第47代大統領トランプを殺そうという意味で、暗殺を扇動する意味を内包しているということだ。
論争が大きくなるとコミー氏は該当の写真を削除した後、「私はそのようなことは考えたこともないが、一切の暴力に反対するために掲示物を削除した」とした。だが、トランプ氏は「子どもでさえその写真が意味するものが何かは知っている」とし「彼がこのようなことをした背景には何か理由がある」と主張した。
トランプ氏は16日に放映されたフォックス(FOX)ニュースのインタビューで「汚い警察」という表現を使いながらコミー氏を露骨に非難した。コミー氏は否定しているが、掲示物のメッセージが政治的に解釈されて波紋が大きくなる局面だ。
◇トランプ氏、2016年コミー氏を電撃更迭
トランプ氏とコミー氏の間に生じた悪縁は8年前に遡る。トランプ氏は執権1期目の初年度である2017年5月当時、コミー氏をFBI局長から電撃的に解任した。政治的独立性が要求されるFBI局長の突然の更迭は極めて珍しいことなので、当時相当な波紋を広げた。
2013年、バラク・オバマ政府の時にFBI局長に任命されたコミー氏は、共和党出身だが超党派的な原則主義志向で知られている。コミー氏が政治的な渦に巻き込まれた契機は2016年大統領選挙当時にヒラリー・クリントン民主党候補の電子メールスキャンダル捜査方針を明らかにしながらだ。結果的に当時トランプ共和党候補の大統領選挙勝利に一部でも寄与した格好になったが、トランプ執権後、当時コミー氏がマイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が関わったロシアスキャンダルの捜査に着手してトランプ氏の怒りを買った。
◇コミー氏解任以降、「犬猿の仲」に
2016年大統領選挙当時、ロシアとトランプキャンプが内通していた可能性が提起されて事態が深刻化すると、ランプ氏が捜査中断を要請したとコミー氏が暴露し、2人は取り返しのつかない関係へと悪化した。コミー氏はFBI局長職の解任以降、トランプ氏のことをより一層辛らつに批判した。2018年に出した回顧録『より高き忠誠 A HIGHER LOYALTY 真実と嘘とリーダーシップ』でトランプ氏について「真実と原則を無視する人」「マフィアのボスのように行動する人物」と記述した。トランプ氏はそのようなコミー氏に対して「米国史上最悪のFBI局長」として反撃した。
コミー氏は2020年大統領選挙でトランプ氏が敗れると「民主主義が辛うじて生き残った」と述べて積怨の深さをにじませた。昨年の大統領選挙の際にも「政党を見ずに『国』のために投票してほしい」と言って民主党候補のカマラ・ハリス氏を応援した。このような確執の連鎖が続き、コミー氏を「公敵」とみなすトランプ氏と支持者は、今回のことを単なるハプニングとは思わず、集中攻撃を継続する態勢だ。
ただし逆に前任ジョー・バイデン大統領(第46代大統領)時代「バイデン弾劾」を主張していた過激トランプ支持者が「86 46」という数字が書かれたTシャツをオンラインで販売して政治攻勢に利用していたことがある。トランプ氏に反対する人々が現在「86 47」が書かれたTシャツをECサイトのアマゾン(Amazon)で販売している場合もある。このため一部ではトランプ政府とその支持者が意図的にコミー氏のメッセージを拡大解釈して政争の種にしているという指摘も出ている。
この記事を読んで…