人工知能（ＡＩ）は個人の暮らしと、企業、国の姿を変える歴史の変曲点だ。新しいＡＩ社会では私がする仕事と私のライフスタイルをよく理解するＡＩアシスタントが私の業務と余暇活動などを取りまとめ私の人生を２４時間サポートする。業務と余暇活動に関連した同僚や彼らのＡＩエージェントと電子メールやメッセンジャーをやりとりしながらほとんどの意思決定をやってくれる。もちろん私とやりとりしながらだ。

一方、私のＡＩアシスタントは私の身体活動と血糖値や心拍数のような身体センサーデータもモニタリングし仕事と余暇のバランスを維持するよう助ける。病院の外来診療に行く時はこうした身体活動とセンサーデータなどのライフログを分析して医師に相談する内容も準備してくれる。家ではＡＩエージェントで動く家庭用ヒューマノイドが掃除と洗濯、皿洗いをする。病院と療養院では専門化された医療用ヒューマノイドが医師らと看護師をサポートしながら２４時間体制で患者と高齢者の面倒をみて彼らの生活の質を高める。造船業、製造業や建設現場などでは作業に専門化したヒューマノイドが危険な仕事を代わりにやったり労働力の高齢化で労働者を確保するのが難しい分野で働く。


１０日前にＨＤ現代は２０２７年の商用化を目標に米ヒューマノイドベンチャー企業のペルソナＡＩと造船溶接用ヒューマノイドロボットを開発することにしたと発表した。


ＡＩ時代には人は決められたマニュアルがない新しいタイプの業務や人でなければできない非定型業務、人が法的責任を負わなくてはならないことを担当する。ＡＩエージェントは時間が過ぎるほど多くのデータが蓄積され自ら学習して進化する。社会が専門化された人と進化するＡＩエージェント、ヒューマノイドのネットワークに変わる。働く文化も変わり社会も変わる。この過程で教育も変えなければならない。現在の入試制度が維持されるならば未来のＡＩ時代には毒になるだろう。

ＡＩ時代には国は政府機関別に分離された国民向け行政サービスを国民と企業の観点から統合しワンストップＡＩエージェントサービスに変えなければならない。ベンチャー創業を例に挙げよう。現在は創業者が株主の資本金を集めて大法院（最高裁）傘下の登記所を通じて法人登記をまずする。その後法人登記簿を持って銀行に行って企業口座を作った後、資本金を払い込む。税務署とは事業者登録も別にしなければならない。健康保険公団と労働福祉公団に被雇用者保険申告もしなければならない。

ワンストップ創業ＡＩエージェントサービスを構築すれば、裁判所と国税庁、保健福祉部、雇用労働部などに散らばる行政機能をひとつに統合できる。創業者は創業申請後すぐにビジネスを始めることができる。すなわち、ベンチャー創業者がこのＡＩエージェントを通じて理事と監査、株主と株主当たり納入資本金と株式代金引き出し口座、法人口座開設銀行、被雇用人情報を入力すれば国は企業設立を認可できる。


【コラム】ＡＩ強国大韓民国の未来の姿と先制条件（２）