トランプ大統領(右)と習近平国家主席 [AFP=聯合ニュース]
久々に伝えられた朗報だが、韓国経済は厳しい。韓国開発研究院(KDI)は「5月の経済動向」で「対外環境が急激に悪化し、景気鈍化を示唆する指標が表れている」と明らかにした。消費萎縮などによる内需不振の中、韓国経済のエンジンである輸出にも赤信号がついたからだ。米国の関税政策の影響で先月6.8%減少した対米輸出額は今月に入っても回復の兆しが見えない。1-3月期のマイナス(-0.2%)に続いて4-6月期もマイナス成長が憂慮される。今年0%台という成長率予想も現実味を帯びている。
低成長の恐怖がさらに強まるのは韓国経済の基礎体力のためだ。経済協力開発機構(OECD)は来年の韓国の潜在成長率を1.98%と予測した。2017年から1.02%ポイントも落ちた数値であり、他のOECD加盟国と比較しても下落ペースが速い。KDIと国会予算政策処はすでに今年の潜在成長率をそれぞれ1.8%、1.9%と予想した。物価上昇を誘発せずに労働や資本など国のあらゆる資源を総動員して達成できる成長率がこの程度というのは深刻な問題だ。
韓国経済は複合危機に直面している。少子高齢化で生産可能人口は減少している。成長を牽引する資本投資と革新を通した技術開発も停滞した状態だ。各種規制と制度は革新が必要な企業の足かせになっている。保護貿易主義拡散と人工知能(AI)技術革命など対外環境も厳しい。低成長の固着化を防ぐためのゴールデンタイムはいくらも残っていない。11日に経済5団体が過去初めて共同で大統領選候補に提言した次期政権の100大政策課題にはこうした危機感が表れている。これら団体は「低成長がニューノーマルに固まる状況の中で過去の成長公式は通用せず、新しい戦略が必要だ」と強調した。このため新産業の育成と保護貿易時代の生存戦略、労働市場改革などの推進を提案した。
低成長の沼から抜け出すための戦略は寸刻を争うが、「経済再生」を掲げた大統領選候補の公約はポピュリズム政策ばかりだ。票を得るためにはやむを得ないとしても、産業構造改編や労働改革など苦痛が伴ってもやるべきことをするという決起も必要だ。
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