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【コラム】中道のための国はない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

『ノーカントリー』(2007)で殺し屋アントン・シガーを演じたハビエル・バルデム [ハリソンアンドカンパニー]

映画ファンなら『ノーカントリー (No counry for old men)』という映画を記憶しているだろう。映画の概要は警察、犯罪者、殺し屋が金が入ったカバンをめぐり繰り広げるむなしく奇異な追撃物だが、その裏にあるメッセージは陰鬱だ。米国の作家コーマック・マッカーシーの原作で捕捉される現代社会の現実は、倫理が崩壊して偶然と暴力、盲目が支配する荒涼な世の中だ。

映画の中の殺し屋アントン・シガーが象徴するように世の中は名分のない暴力と混沌に満ちている。根拠も目的も分からない不条理が横行し、規範は忘れられている。現実がこうであるため、生活の知恵を持った高齢者(old men)は理解も適応もできない無秩序の世界が繰り広げられる。


3週後に迫った韓国の大統領選挙が見せる現実は映画の中の混沌と無秩序の世界とよく似ている。暴力、偶然、倫理崩壊、価値の転覆があまりにも圧倒的であるため、賢明な人たちと中道市民は呼吸もしにくい世界が開かれている。


昨年12月3日の不法戒厳で始まった早期大統領選挙に国民の力は、弾劾反対論者の金文洙(キム・ムンス)候補を前に出した。さらに党内選挙が終わるやいなや、国民の力の指導部は金文洙候補と党外の人物の候補一本化を乱暴に勧めた。結局、突然の候補取り消し、取り消しの取り消しにつながった。暴力(戒厳)が生じたところに残ったのは責任倫理の崩壊、無秩序の奈落か。

混沌と不条理の沼に落ちたのは民主党も同じだ。わずか数週間前、憲法裁判所の大統領弾劾認容を正義の名で称賛した民主党は表情を180度変えた。民主党は自党候補の公職選挙法違反事件を担当した大法院(最高裁)長、最高裁判事の弾劾と特検の可能性を示唆している。民主主義が崩れたハンガリーやポーランドで聞いたような権力分立無用論までが表れている。

2025年の韓国民主主義に中道市民のための空間はない。巨大両党が支配するここには戦闘的な陣営主義、権力に対する崇拝、非妥協的な力の誇示だけがある。韓国民主主義が墜落した理由はいくつかあるが、二つの脈絡を中心に見てみよう。一つは12・3非常戒厳でもたらされた混沌の加速化。もう一つは第2次世界大戦後のグローバル秩序の中枢となっていきた米国民主主義の退潮とそれによる価値の混沌だ。

まずは12・3非常戒厳が開いた大混乱の様相だ。実際、戒厳以前にも韓国民主主義は危うかったが、この日の夜、民主政治を武力で覆そうとした暴挙は混沌を新たなレベルに高めた。何より政治の目的と手段の混沌が日常化した。具体的にいうと、民主主義が生死の脅威を受けると、戒厳解除の過程で主導的な役割をした民主党は反戒厳の名分で何でも正当化できるという論理で危険な跳躍を敢行する。戒厳協力、内乱ほう助勢力の名前を付けて大統領権限代行を弾劾し、その権限代行の代行も弾劾する事態が続いた。戒厳で触発した混沌が野党にも移ったのだ。

民主党発の混沌のピークは先週だった。戒厳という暴力から「民主主義を守った民主党に対する脅威は民主主義の脅威」と見なすということだ。したがって選挙を数週後に控えて下された民主党候補に対する有罪趣旨の破棄差し戻しは「民主主義の脅威と見なされる。したがって大法院も弾劾されるべき」。名分と手段、大義と党派的な焦りが絡んだ混乱と混沌の世界。

規模ははるかにみすぼらしいが、国民の力で起きた候補交代、一本化騒動も混沌の極端を見せている。国民の力が弾劾に反対した金文洙候補を選出したのが5月3日。しかし翌日から韓悳洙(ハン・ドクス)予備候補に一本化するための党指導部の圧力が続いた。金文洙候補の抵抗と党指導部の一方的な候補取り消し、そしてまた取り消しを取り消すという姿は無秩序そのものだ。

2つ目、混沌の世界を催促したもう一つの契機はトランプ時代の米国民主主義の退潮だ。良し悪しははともかく、我々は長い間、米国式民主主義が一つの役割モデルである時代を過ごしてきた。米国民主主義が強調する法の支配、個人の自由と開放社会は民主主義の基準点として作用し、米国民主主義は我々だけでなくいくつかの民主国家の模倣の対象だった。

しかしトランプ現象はこうした模倣の構造を覆した。役割モデルとしての米国民主主義は法治と開放性で内部的に後退している。さらにトランプ大統領が中東部欧州、中南米の権威主義リーダーをたびたび称賛することで価値の混乱を増幅させている。

整理をすると、国内外で無秩序と不条理の気運が形成され、中道のための政治が消えている。中庸の知恵を追求しようとする人たちの国はない。残りの3週間、我々は変化に向かうささやきでも聞くことができるのだろうか。

チャン・フン/中央日報コラムニスト/中央大名誉教授



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