韓国与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)大統領候補(右)と権性東(クォン・ソンドン)院内代表(左)が11日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で開かれた中央選挙対策委員会会議に出席している。[写真 聯合ニュース]
10日午前2時30分ごろ、李亮寿(イ・ヤンス)党選管委員長の名義で候補登録申請公告を出したが、登録期間が午前3時から4時までわずか1時間だった。提出しなければならない書類は「最近5年間の候補・配偶者の所得税・財産税および総合不動産税納付実績証明書および滞納証明書」「候補の犯罪経歴回報書」など32件に達した。窓口は「国会本館228号」だ。午前3時から1時間で32件の書類の発給を受けて作成し、国会に提出することが果たして可能なことなのだろうか。党内で「このあきれた状況は誰のためのものなのか」〔裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)議員〕という非難があふれたのは当然だった。拙速公告の後、韓悳洙(ハン・ドクス)候補が唯一登録したが、韓氏と指導部の間に「仕組んで打つ花札賭博」という皮肉だけが出てきた。その直後、党非常対策委員会が大統領候補を韓氏に交代する内容を議決したが、この日午前10時から午後9時まで行われた党員投票で指導部の予想とは違って案件が否決されて結局寸劇で終わってしまった。
韓国政党政治歴史にもう一つの大きな汚点を残した今回の事態を経て、保守政党の革新が喫緊の課題であることが露呈した。大統領選挙勝利が有力な状況で権力争奪戦が起きたのであれば理解できなくもないが、いま国民の力は派閥を超えて力を合わせても勝利が難しい局面だ。このドタバタ劇の理由が大統領選挙以降の党権争いのためという分析が出ている理由だ。大統領選挙が1カ月も残されていない時点で内部争いに没頭する政党に存在の意味はあるのか。