パキスタン領カシミールの州都であり、最大都市であるムザファラバード付近で7日(現地時間)、パキスタン陸軍兵士がインドのミサイル攻撃で被害を受けた建物を見ている。同日、インド軍はテロリストの本拠地を攻撃するという理由でパキスタン地域9カ所を攻撃した。[写真 AP=聯合ニュース]
7日、AP・ロイター通信などによると、インド政府はこの日未明、自国軍がパキスタン領カシミール内の9地域を攻撃する「シンドール作戦」を開始したと明らかにした。シンドールとは、ヒンディー語で既婚女性が頭に塗る赤い粉末を意味するが、夫が亡くなると妻はシンドールを塗らない。この発端となった先月のインド領カシミール内の銃器テロ事件当時、夫を失った妻たちのために復しゅうするという意味で、このような作戦名が付けられたとみられる。
今回の衝突による双方の死傷者は130人に達した。パキスタン軍は、パキスタン領カシミールやパンジャブ州などで民間人26人が死亡し、46人がけがしたと発表した。インド警察は、パキスタンの砲撃でインド領カシミールで15人が死亡し、43人がけがしたと発表した。
パキスタン側は、インドから攻撃を受けると、直ちに報復に出た。パキスタン軍報道官は「インド戦闘機5機をミサイルで撃墜した」とし「(両国間の事実上の国境線である)実効支配線(LoC)の随所で交戦が繰り広げられている」と伝えた。
パキスタンは48時間領空を一時閉鎖し、すべての航空便の運航を停止した。イスラマバード国際空港が事実上閉鎖され、旅客機はすべて南部のジンナー国際空港に引き返した。大韓航空は同日から危険地域を避けるため、仁川(インチョン)発アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ路線(週7回運航)の航路を変更することにした。パキスタンで人口が最も多いパンジャブ州は非常事態を宣布し、休校令を下した。
国際社会は、非公認核保有国である両国の戦争拡大の可能性を懸念している。アントニオ・グテーレス国連事務総長はこの日、報道官声明を通じて「両国に軍事的自制を促す」とし「世界は両国の軍事的対立に耐えられない」と述べた。ドナルド・トランプ米大統領も同日、ホワイトハウスで開かれた行事で「遺憾だ。彼らは何十年、何世紀にもわたって戦ってきた。今回のことが早く終わってほしい」と述べた。
1947年からカシミールをめぐって対立してきた両国は、2019年にもインド領カシミールでテロが起き、全面戦争の寸前に達した。当時、インド領カシミールで自爆テロで警察40人余りが死亡すると、インドがパキスタン内の「テロリストキャンプ」を電撃空襲し、空中戦を繰り広げた。
今回のミサイル攻撃の決定的な導火線も先月22日、インド領カシミールのリゾート地パハルガム付近で起きた銃器テロだった。当時、26人が死亡し、17人がけがした。インドはパキスタンが「テロの背後」としてインド内のパキスタン人ビザを取り消した。また、パキスタンとの商品輸入、船舶入港、郵便交換を禁止した。パキスタンは関連性を否定しながらも、インド航空機の領空進入禁止、貿易中止とインド人のビザ発給取り消しなどで対抗した。
その後、両国は継続して小規模な交戦に踏み切り、ついにインドが6日パキスタンの「命綱」であるインダス川の川水を遮断し波紋が広がった。パキスタン人口の90%がインダス川流域に住み、主要都市の飲料水、地下水をこの川の水に依存しているためだ。パキスタンは「川の水を塞ごうとするいかなる試みも戦争行為と見なす」とし「通常兵器や核などすべての戦力を使う」と反発した。
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