チェコの新規原子力発電所建設敷地であるドコバニで運営されている原発の様子。[写真 大宇(テウ)建設]
6日(現地時間)、チェコ・ブルノ地方裁判所は韓水原とチェコ電力公社(CEZ)の子会社であるEDU II間のドコバニ原発2基の契約署名を中断するように命じる仮処分決定を下した。韓水原は7日、EDU IIとプラハで原発建設契約締結式を控えていた。
これに先立ち、ドコバニ原発受注戦の競争者であったフランス電力公社(EDF)は韓水原の優先交渉対象者選定手続きに問題があるとし、チェコ反独占事務所(UOHS)に異議を申し立てたことがある。だが当時UOHSがこれを棄却して韓水原の原発輸出契約が最終段階に至る状況だった。ところがEDFは今月2日に再び行政訴訟を起こし、この日裁判所は最終契約署名をひとまず阻止するためにEDFが提起した仮処分性格を帯びた訴訟を認容したものとみられる。
ブルノ地裁は「契約が締結される場合、フランス入札者(EDF)は訴訟で有利な判決が下されても契約を締結する機会を失うことになる」と明らかにした。EDFが提起した本案事件が終結するまで、最終契約締結をしてはいけないという趣旨とみられる。これに伴い、韓水原とEDU II間の契約手続きは一時中断された状態だ。ただしブルノ地裁は「(仮処分認容は)原告(EDF)が後続訴訟で勝訴するという意味ではない」と付け加えた。
◇「26兆ウォン(約2兆7000億円)原発」 競争会社が足かせに…チェコ首相「韓国との契約、問題ない」
契約締結式に出席するためにチェコに向けて出発した代表団は経済部署長次官級と国会議員で構成された。韓国政府側からは大統領特使団に任命された安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官を筆頭に朴庠禹(パク・サンウ)国土交通部長官、李昌潤(イ・チャンユン)科学技術情報通信部第1次官、姜仁仙(カン・インソン)外交部第2次官、金盛燮 (キム・ソンソブ)中小ベンチャー企業部次官、崔元湖(チェ・ウォノ)原子力安全委員会委員長が含まれた。国会からは李喆圭(イ・チョルギュ)(国民の力)産業通商資源中小ベンチャー企業委員会委員長をはじめ朴聖敏(パク・ソンミン)・姜升圭(カン・スンギュ)・朴相雄(パク・サンウン)(以上、国民の力)議員、許成武(ホ・ソンム)(共に民主党)議員、李柱栄(イ・ジュヨン)(改革新党)議員などが特別訪問団として同行した。
現地にすでに到着している韓国原発産業関係者は当惑している。原発輸出契約自体が完全に取り止めになったわけではないが、ひとまず翌日プラハ・リヒテンシュタイン宮で開かれる予定だった契約締結式そのものは中止される見通しだ。これ以降に推進しようとしていた両国間の包括的経済協力議論も日程に支障をきたす可能性が高まった。
韓水原関係者は「状況を確認中で、発注会社であるEDU IIとまだ協議中」と明らかにした。契約式を準備中だったチェコEDU IIはこの日、「EDFの訴訟が根拠がないと判明する場合、損害賠償を請求する」と明らかにした。
チェコ政府は今後の韓国との契約には問題がないという立場だ。ペトル・フィアラ首相はソーシャルメディアを通じて「入札評価手続きが関連法律により公正に進められたと確信している」とし、韓水原の受注に問題がないという立場を明らかにした。続いて「会社選びで最も重要な要素は市民と企業のための安い電気供給」としながら「裁判所はすべての状況とリスクを理解していて速かに決定すると信じている」と話した。
CEZはこの日、入札が全面的に透明だったとして韓水原のほうが優れていた点に対して疑いの余地がないようにEDFに入札内容を公開するように求めた。UOHSもロイターに対して「裁判所の決定は手続き的なもので、裁判所は事件をどのように判決を下すかは明らかにしなかった」とし「我々は我々の決定が正しかったと信じている」とした。事業費26兆ウォン規模のチェコ原発輸出契約は数年間の迂余曲折を経て最終段階まであと少しという状況だった。EDFの問題提起以前には米国原発会社ウェスチングハウスとの知識財産権紛争も解消した。だが、今回のEDFの訴訟でもう一度最終契約日程が再調整される見通しだ。産業通商資源部は安徳根長官が現地に到着し次第、発注会社と議論して対応を準備する予定だ。
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